根岸佶

根岸 佶について

根岸佶（ねぎし ただし、1874年8月9日 - 1971年7月22日）は、日本の経済学者であり、特に中国経済の研究において重要な業績を残した人物です。一橋大学の名誉教授であり、日本学士院賞を受賞するなど、学問の世界で高く評価されています。

人物と経歴

和歌山県に生まれ、根岸は和歌山県尋常中学校（現在の和歌山県立桐蔭高等学校）を卒業後、1899年に高等商業学校（現在の一橋大学）に入学しました。彼は本科で日中貿易論を学び、専攻部では中国交通論の研究を行いました。1901年には高等商業学校の専攻部を修了し、1933年には「支那ギルドの研究」により東京商科大学から経済学博士の学位を取得しました。

彼の学術キャリアは、1901年に上海の東亜同文書院の教授として始まりました。1907年には東亜同文会主査となり、中国経済の研究に従事しました。祖国日本に戻った後、1908年には東京高等商業学校の講師として教壇に立ち、1911年からは東京朝日新聞で政治部記者としても活動しました。その後、1916年には東京商科大学の教授に就任し、長年にわたり教育と研究に情熱を注ぎました。

根岸は1935年に定年退官し、1950年には東京商科大学の客員教授、1951年には一橋大学の名誉教授に就任しました。彼の門下には後の著名な学者たちも多く、石川滋や村松祐次などがその一例です。

受賞歴と官職

根岸は学問だけでなく、さまざまな功績を評価されて多くの栄誉を受けています。1917年には正七位に叙され、1919年には従六位、1921年には正六位と、順次昇進しました。また、1928年には勲四等瑞宝章を、1931年には高等官一等に任ぜられ、1935年には正四位に昇進しました。彼の業績は、1954年には「中国のギルド」で日本学士院賞を受賞することでまたも評価されました。

著書

根岸佶は、その豊富な知識と研究成果を出版物としても多く残しています。代表的な著書には、『清国商業綜覧』や『支那特別関税会議の研究』、さらには『支那経済論』や『中国社会に於ける指導層 中国耆老紳士の研究』などが含まれています。特に『支那ギルドの研究』は、彼の代表的な仕事とされており、中国の商業および経済の仕組みに関する深い分析を提供しています。これらの著作は、日本における中国経済学の発展に寄与しました。

結論

根岸佶は、経済学の分野において特に中国関連の研究で重要な役割を果たした学者であり、後世に多大な影響を与えました。彼の研究は、今でも多くの学者や学生にとって貴重な学びの資源として活用されています。根岸の人生は、学問への情熱と献身の象徴であり、日本の知識人としての重要な位置を確立しました。

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