根来広光

根来広光の野球人生

根来広光（ねごろ ひろみつ）は1936年9月24日、広島県府中市に生まれました。彼は日本のプロ野球選手として、捕手と投手の2つのポジションを経験し、その後は指導者としても長きにわたり活躍しました。2009年11月27日、胃がんにより73歳でこの世を去りました。

幼少期と高校時代

生まれた広島は1945年に原爆が投下される直前、彼は疎開のために現在の府中市に移りました。中学生の頃は大分県別府市で過ごし、府中高校ではエースピッチャーとして名前を馳せました。当時の広島には同じくプロ入りを果たした選手が多く、競争が激しかったことで知られています。

プロ入りと捕手への転向

1955年、東京鉄道管理局に入部し、翌年には熊谷組の補強選手として都市対抗に出場しますが、惜しくも準優勝に終わりました。その後、1957年には国鉄スワローズに入団し、投手としてプレーを始めますが、早い段階で二軍に落ちます。そこでコーチの宇野光雄の勧めで捕手に転向します。

捕手転向後、根来は経験が浅く、最初は緊張の連続でした。捕手デビューの時には、1球目をパスボールし、観客の笑いを誘ったエピソードも残っています。しかし、彼はすぐにチームの正捕手としての地位を確立。特に金田正一の投球をノーサインで捕る技術を身に着け、プロ選手としての信頼を勝ち得ていきました。

鮮やかな記録と引退

根来は1958年から8年間、正捕手として活躍しつづけ、他に記録を残すことはなかったものの、1964年にはリーグタイ記録の8打席連続安打を達成しました。しかし、1965年を境に出場機会は減少し、1967年には阪急ブレーブスに移籍。その後、1968年に現役を引退します。引退試合の前後には、王貞治が初号本塁打を打った際の捕手でもあり、後年彼の成長に深く関わりました。

引退後のキャリア

現役引退後、根来はプロ野球界に残る道を選びました。阪急・オリックス、ロッテなどの複数球団でコーチや監督を務め、若手選手の育成に力を注ぎました。特にイチローが1年目に中堅手として起用された背景には、根来の指導があったとされています。彼はまた、スコアラーとしての知識も深く、試合の戦略や選手の分析を通じてチームの勝利に貢献しました。

人柄と最後

彼は非常に努力家であり、選手としても尊敬される存在でした。死去の際には、金田正一から「根来は私の野球人生に欠かせない人物だった」と語られています。根来広光は、プロ野球界における名捕手としてだけでなく、選手や後輩たちにとっても多くの教訓を残した指導者として永遠に記憶されるでしょう。

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