根津甚八 (俳優)

根津甚八（ねづ じんぱち）

根津甚八（1947年12月1日 - 2016年12月29日）は、日本の俳優、演出家、脚本家、歌手であり、芸名の由来は劇団「状況劇場」主宰の唐十郎によるもので、真田十勇士の登場人物から取られている。本名は根津透（ねづ とおる）で、ユマニテに所属していた。

山梨県出身で、親の教育熱心な影響を受けながら育ち、東京に転居。その後、日大三高で演劇に興味を持つ。進学した獨協大学は中退し、1969年には唐十郎が主宰する状況劇場に加わった。1974年には『唐版 風の又三郎』で主役を務め、同劇団の看板俳優として知られるようになる。

俳優としてのキャリアの中で、1975年にテレビドラマ『娘たちの四季』に出演。これが彼にとって重要な転機となり、以後は多くの映画やテレビドラマでも活躍するようになる。彼が注目されるきっかけとなったのは、1978年に出演した『黄金の日日』での石川五右衛門役であった。この作品を契機に、劇団には根津のファンが増え、ファンからの人気が高まることとなる。しかし、この状況から彼は売れっ子俳優になる一方で、特に劇団での窮屈さを感じるようになり、1979年には退団することとなった。

その後、黒澤明監督の作品にも出演し、幅広いジャンルで演技を披露。2010年には俳優業から引退し、演出家や脚本家として活動を続けるとともに、闘病生活を送りながらその経験と俳優時代を振り返った著書を出版した。

2002年には顔面の病気に悩まされながらも、演技活動を定期的に行っていたが、2004年には交通事故を経験し、その後の活動に支障をきたすこともあった。晩年にはうつ病を患っていることが公表され、俳優としての活動は減少していった。2015年には映画『GONIN サーガ』に出演し、銀幕への復帰を果たした。

根津甚八は69歳で肺炎により亡くなり、その後の葬儀では多くのファンや仲間に見送られた。彼の戒名は天映甚八居士であり、静岡県の冨士霊園に安置されている。彼の存在は、日本の演劇界や映画界において重要な役割を果たし、多くの人々に深い印象を残した。根津甚八の業績は、今後も多くの人々に引き継がれていくことでしょう。彼の俳優としての才能と情熱は、今なお多くのファンに愛されています。

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