格闘探偵団

『格闘探偵団』は、小林まことによる日本の漫画作品で、『イブニング』（講談社）に連載されました。講談社イブニングKCから全5巻が刊行されています。

概要

本作は、小林まことの代表作である『1・2の三四郎』、『1・2の三四郎 2』の続編として位置づけられています。前2作ではプロレスラーとして活躍した東三四郎が、リングを離れ、私立探偵として様々な事件に挑む姿を描いています。初期は1話完結の短編形式でしたが、2巻以降はより長編のストーリーが展開されます。

物語

『1・2の三四郎 2』のラストで赤城欣市を破り、順風満帆に見えた東三四郎率いるドリームチーム。しかし、ある大手興行会社からの八百長試合の依頼を受け、わざと負けるはずが、三四郎の牽制パンチが相手をKO。結果的に観客に八百長がバレてしまい、格闘界から追放されてしまいます。

数年後、ドリームチームのメンバーだったほたる（旧姓：本間）は、五頭信と結婚してクリーニング店を経営していました。そんなある日、公園でホームレス同然の姿になった三四郎と再会し、衝撃を受けます。しかし、三四郎は実は私立探偵として活動しており、ホームレスの姿は浮気調査のための変装でした。

こうして、かつてリングで最強を誇った東三四郎が、その並外れた勘と格闘能力を武器に、強引な手段で事件を解決していく、型破りな探偵物語が幕を開けます。

序章

単行本1巻では、ホームレスに変装した三四郎が登場します。しかし、その体格ゆえに、どんな変装をしても目立ってしまうのが難点です。この巻では、ウ・チーノとの出会いのエピソードなど、オムニバス形式の短編が収録されています。

金本家編

12年間行方不明だった金本陽二の捜索を依頼された三四郎。陽二の家を訪れると、そこには無残な死体がありました。不運にも犯人に間違われた三四郎は、真犯人を突き止めるため、事務所のメンバーと共に捜査を開始します。

ブラックマンバ編

大学教授から行方不明になった娘の捜索を依頼された三四郎。捜査を進めるうちに、同様の失踪事件が多発していることを知ります。事件の裏には、「ブラックマンバ」と名乗る謎の人物が組織した誘拐団の存在がありました。彼らは、誘拐した女性たちを閉鎖されたホテルに監禁し、「飼育」と称して楽しんでいたのです。

三四郎は誘拐団に立ち向かい、事件の核心に迫りますが、ブラックマンバの魔の手は三四郎の妻・志乃にまで伸びます。ドリームチームのメンバーは、ブラックマンバの本拠地である孤島に乗り込み、誘拐団との決戦に挑みます。

走れ!タッ君編

かつてドリームチームを格闘界から追放した興行会社の社長が、三四郎に孫娘の誘拐事件の解決を依頼します。犯人は、三四郎に恨みを持つ中国人系犯罪組織「猫頭（にゃとう）」でした。身代金10億円を要求された三四郎は、罠と知りつつも依頼を引き受けます。

しかし、身代金の受け渡し現場には、なぜか警察が待ち構えていました。実は、猫頭とは無関係の誘拐事件も発生しており、2つの事件の受け渡し場所が偶然にも重なってしまったのです。猫頭のことが警察に知られると人質が殺されてしまうため、三四郎は警官隊をなぎ倒して現場を脱出します。

成り行きで、もう1つの事件で誘拐された自閉症の少年「タッ君」と行動を共にすることになった三四郎は、タッ君に振り回されながらも、猫頭との接触を試みます。

登場人物

東三四郎（あずまさんしろう）: 元プロレスラーで、現在は私立探偵。動物的な勘と格闘能力で事件を解決します。
東志乃（あずましの）: 三四郎の妻。
ウ・チーノ: 三四郎の探偵事務所の従業員。元学習塾講師。
五頭信（ごずしん）: ドリームチームのメンバーで、クリーニング店を経営。
五頭ほたる（ごずほたる）: 五頭の妻で、元女子プロレスラー。
西上馬之助（にしがみうまのすけ）: 三四郎の同級生で、お好み焼き屋を経営。
成海頁二（なるみぺいじ）: ドリームチームのメンバーで、三四郎の探偵事務所で働く。
美鈴亮（みすずりょう）: ドリームチームのデスマッチレスラーの息子で、三四郎の探偵事務所で働く。
南小路虎吉（みなみこうじとらきち）: 三四郎の同級生で、漫画家。
蛇野鱗: 警視庁の警部。
三条： 刑事。
参豪辰巳： 三四郎の高校時代の同級生で、柔道部コーチ。
三五十五： 『柔道部物語』の主人公。
猫雲若： 中国マフィア「猫頭」のボス。
伴隆文： ダイエット食品会社の社長。
湯沢拓也： 誘拐される自閉症の少年。
* 小川直也： プロレスラー。

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