桀燕

桀燕（けつえん）

桀燕は、中国の五代十国時代に、現在の北京と河北省北部を支配した国です。ただし、正式に皇帝を称していた期間は911年から913年までのわずか2年間でした。

正式な国号は大燕（だいえん）でしたが、後世の史家は区別のため、創始者の劉守光（りゅうしゅこう）の諡である「桀」を冠して桀燕と呼んでいます。

歴史

911年8月、劉守光は幽州（現在の北京一帯）で皇帝を自称し、国号を大燕と定めました。これは、当時の中央政権である後梁（こうりょう）からの独立を宣言するものでした。しかし、その支配は長くは続かず、わずか2年後の913年11月、李存勗（りそんきょく）率いる晋（しん）軍によって幽州は陥落しました。

劉守光は幽州から逃亡を試みましたが、結局捕らえられ、処刑されました。これにより、桀燕は滅亡しました。

桀燕の支配領域は、現在の北京とその周辺地域に限られており、その勢力は限定的でした。また、その支配期間も短く、中国の歴史において大きな影響を与えたとは言えません。しかし、五代十国という激動の時代における地方勢力の興亡を示す一例として、その存在は記憶されています。

桀燕の統治者

劉守光（在位：911年 - 913年）

史料

新五代史
『唐本紀第五』
天祐六年…（中略）…燕王劉守光聞晋攻梁深入，乃大治兵，声言助晋，王患之，乃旋師．七月，會趙王王鎔於承天軍．劉守光稱帝於燕．

この史料は、劉守光が皇帝を自称するに至った背景と、当時の周辺勢力との関係について記述しています。特に、晋（李存勷）が後梁を攻撃している隙を突いて自立を図ったことがわかります。

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