桂三ノ助

桂三ノ助（当代）

はじめに

「桂三ノ助（かつら さんのすけ）」は、落語の世界において受け継がれてきた由緒ある名跡の一つです。本項では、1971年に生まれた当代の桂三ノ助について、その経歴や活動を中心に解説します。

生い立ちと学歴

当代桂三ノ助は、1971年1月21日に兵庫県神戸市で、本名である小池直樹としてこの世に生を受けました。地元である神戸で教育を受け、神戸市立神陵台中学校を卒業しました。さらに学業を続け、滝川高等学校へと進学し、高校卒業後も勉学への意欲を失わず、神戸学院大学経済学部に入学しました。大学では経済学に関する専門知識を修めました。

落語家への入門

大学での課程を修了した後、桂三ノ助はプロの落語家となる道を志しました。1995年、当時既に上方落語界を牽引する存在であり、後に六代桂文枝を襲名することとなる桂三枝師匠の門下に入りました。桂三枝師匠は、伝統的な上方落語に加え、創作落語においても革新的な取り組みを行ったことで知られており、その薫陶を受けることとなりました。この入門により、「桂三ノ助」としての噺家人生が本格的に始まりました。

所属と主な活動

所属事務所と協会

落語家としての活動は、日本有数のエンターテインメント企業である吉本興業のクリエイティブ・エージェンシー部門に所属して行っています。様々な分野で活躍する芸人やタレントが多数在籍する中で、上方落語家として独自の存在感を示しています。また、上方落語の保存・発展を目指す専門家団体である上方落語協会の会員でもあり、協会が主催する様々な催事や活動にも積極的に参加しています。

神戸新開地・喜楽館での役割

近年、桂三ノ助の活動の中でも特筆されるのは、自身の出身地である神戸における貢献です。2017年に開場した上方落語専門の定席劇場、神戸新開地・喜楽館において、重要な役職である館長補佐を務めています。この役割を通じて、日々の公演の企画・運営や、劇場の広報活動などに関わり、神戸における上方落語文化の振興と、劇場への来場者増加に力を注いでいます。自身の高座に加え、裏方としても上方落語を支える多角的な活動を展開しています。

人物像と嗜好

高座で見せる姿とは別に、桂三ノ助は個人的な趣味や関心も持っています。特に、プロ野球チームであるオリックス・バファローズの熱心なファンであることが知られています。スポーツへの深い関心も、彼の人間的な魅力を形成する一側面と言えるでしょう。

名跡「桂三ノ助」について

「桂三ノ助」という名前は、当代が初めて名乗った落語家名ではありません。記録によれば、過去にも同名の落語家が存在したことが確認されています。この事実は、「桂三ノ助」が上方落語の長い歴史の中で代々受け継がれてきた、由緒ある名跡であることを示しています。当代は、この歴史ある名を背負い、先人たちが築き上げてきた伝統を踏まえつつ、自身の芸を磨き、日々高座に上がっています。

結び

桂三ノ助は、六代桂文枝門下の実力派上方落語家であり、出身地神戸の喜楽館では館長補佐として上方落語の普及・発展に貢献しています。名跡を受け継ぎ、古典落語から新作落語まで幅広い演目に取り組む彼の活動は、上方落語の現在と未来を繋ぐ重要な役割を果たしています。今後のさらなる活躍が期待される噺家の一人です。

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