神戸新開地・喜楽館

神戸新開地・喜楽館：上方落語の新たな拠点

神戸市兵庫区新開地にある神戸新開地・喜楽館は、2018年7月11日に開館した寄席です。かつて新開地にあった「神戸松竹座」の後継として、上方落語の新たな定席として期待されています。天満天神繁昌亭に次ぐ上方落語の拠点として、落語を中心とした様々な演芸を連日開催しています。

開館までの道のり

神戸松竹座閉館後、上方落語の定席を神戸に復活させたいという声が地元から上がり、上方落語協会、兵庫県、神戸市などが協力して喜楽館の建設が進められました。国からの補助金と地方自治体の助成金によって建設費2億円が賄われ、2017年3月には協定締結と構想が公表されました。館名は一般公募によって「神戸新開地・喜楽館」と決定されました。

開館前には、朝日放送で演芸番組制作に携わっていた成宮恒雄氏が支配人に内定していましたが、就任を辞退したため、開館当初は支配人不在でのスタートとなりました。

開館後と運営

2018年7月11日の開館式典には50名以上の落語家によるパレードも行われました。名誉館長には桂文枝氏が就任し、館名の看板には文枝氏の書による「喜」の文字が使われています。ロゴマークは桂あやめのデザインです。

運営は新開地まちづくりNPOが行い、上方落語協会の喜楽館担当委員会が番組編成を担当しています。開館当初はマネージャーの山本憲吾氏が中心となり運営されていましたが、2023年4月には朝日放送テレビの伊藤史隆氏が初代支配人に就任しました。

開館当初は「昼席」と「夜席」による二本立て体制でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で公演中止や営業時間短縮を余儀なくされました。しかし、高齢者施設への訪問公演「元気寄席」や、その動画配信サービス「おうちで元気寄席」を開始するなど、新たな取り組みにも挑戦しています。2024年には、芦沢誠氏と桂紗綾氏がアンバサダーに就任し、広報活動にも力を入れています。

喜楽館の特徴

上方落語協会所属の落語家中心: 「昼席」は上方落語協会所属の落語家のみが出演可能です。
多様な演芸: 「夜席」では落語以外の演芸、音楽イベントなども開催されています。
観客との交流: 終演後には出演者が観客を見送るなど、温かい雰囲気です。
独自の取り組み: 「御笑印帳」や「喜楽館タニマチ制度」など、観客参加型の企画も実施されています。

神戸新開地・喜楽館AWARD

2023年から開催されている落語コンクールです。上方落語協会入門16年目から25年目の落語家が対象で、喜楽館の観客と朝日放送ラジオ『日曜落語〜なみはや亭〜』のリスナーによる投票で優勝者が決定します。優勝者には賞金（寄付金による）と冠番組放送などの副賞が贈られます。

アクセス

神戸高速線新開地駅より徒歩2分
神戸市営地下鉄山手線湊川公園駅、神戸電鉄有馬線湊川駅より徒歩5分
* JR神戸駅より徒歩13分

まとめ

神戸新開地・喜楽館は、上方落語の活性化と新開地の地域振興に貢献する重要な施設です。落語を楽しむだけでなく、様々なイベントや取り組みを通じて、多くの人々が集い、交流できる場となっています。今後の更なる発展が期待されます。

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