桂伸衛門

桂 伸衛門

桂 伸衛門（かつら しんえもん）は、落語芸術協会に所属する気鋭の真打落語家です。1983年（昭和58年）2月10日生まれ、本名を宮尾 卓（みやお たく）といいます。落語家集団「成金」の一員としても知られ、その活躍は多岐にわたります。高座に上がる際の出囃子には『玉桂』を使用しています。

来歴と芸歴

千葉県習志野市で生まれ育った桂伸衛門は、千葉県立検見川高等学校を経て國學院大學文学部に進学しましたが、学業の途中で中退しています。大學では落語研究会に所属し、早くから落語の世界に触れていました。

プロの落語家としての道は、2006年（平成18年）9月に四代目春雨や雷蔵師匠に弟子入りしたことから始まりました。前座としては「春雨や 雷太」（はるさめや らいた）という名を名乗ります。入門からおよそ4年後の2010年（平成22年）8月には、同期の瀧川鯉八と共に二ツ目の位に昇進しました。

二ツ目時代には、その実力を示す受賞歴を重ねています。2014年（平成26年）には、若手落語家の登竜門とされる第13回さがみはら若手落語家選手権の本選会に出場。さらに、同年の高円寺エトアール寄席二ツ目芸人グランプリでは見事優勝を飾りました。

2016年（平成28年）3月には、落語界では比較的珍しい師匠替えを経験します。四代目春雨や雷蔵門下から桂伸治師匠の門下へと籍を移し、この時に名前も「桂 伸三」（かつら しんざ）と改めました。ご本人の説明によれば、この移籍は師弟関係の断絶を意味する「破門」ではなく、前師匠である雷蔵師匠のお考えによるものだったとされています。

その後も研鑽を積み、2018年（平成30年）には第17回さがみはら若手落語家選手権で優勝を果たし、実力派としての評価を確固たるものとしました。

そして、2020年（令和2年）5月、昔昔亭A太郎、瀧川鯉八の両名と共に、真打へと昇進しました。これを機に「桂 伸衛門」と改名し、新たな一歩を踏み出します。本来であれば5月から真打昇進披露興行が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の事態を受け、興行は同年10月中席へと延期されることとなりました。

人物

桂伸衛門は、出身地は千葉県習志野市ですが、ご両親が熊本県八代市出身であることから、自身の「故郷」は熊本の八代市であると語っています。落語家としての活動のほか、2011年（平成23年）にはテレビドラマ『デカワンコ』に出演するなど、多方面での活躍も見られます。また、趣味として「お節介」を挙げており、その人柄がうかがえます。

若手落語家ユニット「成金」のメンバーとして、瀧川鯉八、昔昔亭A太郎をはじめとする個性的な仲間たちと共に、新たな落語の可能性を追求する活動も積極的に行っています。その明るく親しみやすいキャラクターと確かな実力で、今後の落語界を担う存在として期待されています。

受賞歴

2014年
第13回さがみはら若手落語家選手権 本選会出場
高円寺エトアール寄席二ツ目芸人グランプリ 優勝
2018年
* 第17回さがみはら若手落語家選手権 優勝

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