桂吉弥

桂 吉弥（かつら きちや）

桂吉弥（1971年2月25日生まれ）は、大阪府茨木市の出身で、上方落語協会に所属する著名な落語家であり俳優である。彼は『真室川音頭』を出囃子に使い、本名は富谷竜作。既婚で2人の子どもがいる。結婚後、旧姓の新保から富谷姓に改姓し、現在は兵庫県尼崎市に居住している。

生い立ちと教育

吉弥は教育者の家庭に生まれ、両親ともに養護学校の教員であった。父親は大阪府立藤井寺養護学校の校長を務め、家庭では教育への大切さが育まれた。彼は小学校と中学校で児童会や生徒会の役員を務めるなど、早い段階からリーダーシップを発揮していた。高校は大阪府立春日丘高等学校を経て、神戸大学教育学部に入学。

入学後、吉弥は体育教員を志してサッカー部に所属したが、教員の入学試験に失敗したことでキャリアの方向性を変更。大学では落語研究会に参加し、当初は「甲家楽破」という名前で活動を始めた。

落語家への道

教育実習を通じて教員への適性に疑問を抱いた吉弥は、落語家の道へ進むことを決意。尊敬する桂吉朝に弟子入りを希望し、通い続けた結果、吉朝の落語会での見習いとして認められる。1994年に大学在学中に初高座を果たした。

内弟子生活と活動の広がり

1995年、吉弥は桂米朝のもとに住み込みで内弟子として修業を開始。しかし、阪神・淡路大震災で活動が遅れる中でも、ボランティアとして震災支援に参加。内弟子時代には師匠と他の兄弟子の付き添いで高座にも立ち、多様な経験を積んできた。

内弟子生活を卒業後は、落語だけでなく俳優活動やタレントとしても活動を幅広く行っている。毎年の独演会や落語会を定期的に開催し、CDやDVDのリリースも行っている。

テレビと映画での役割

NHKの大河ドラマ『新選組!』に出演し、また連続テレビ小説『ちりとてちん』では架空の落語家役を演じたことにより、一般的な知名度を得た。これをきっかけに、彼はテレビ番組やラジオ出演を果たし、幅広いファン層を獲得していく。

ラジオとバラエティ番組

吉弥は、地元のラジオ番組や全国放送のバラエティー番組にも頻繁に登場。独自のキャラクターを活かし、視聴者との親しみやすい関係を築いている。特に、ABCラジオやMBSラジオでは長年レギュラー出演しており、リスナーから「ミスターABC」との愛称でも知られている。

プライベートと人柄

吉弥は、家族を大切にしつつも、休日には家族と共にリアル脱出ゲームに参加するなどプライベートも充実させている。また、サッカーのファンであり、阪神タイガースの応援にも積極的。彼の多才さは舞台だけでなく、スポーツや執筆活動にも広がっており、ジャーナリストとしての一面も持っている。

受賞歴

彼の創作活動は高く評価されており、数々の受賞歴を持つ。ABCお笑い新人グランプリやNHK新人演芸大賞など、多くの賞を受賞しており、落語界の中でもその才能を際立たせている。特に、「繁昌亭大賞」や「芸術選奨文部科学大臣新人賞」など、重要な賞を受賞し続けている。

桂吉弥は、落語家としての活動に留まらず、俳優やタレントとしても多才な存在であり、今後の活躍にも期待が高まる人物である。

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