桂坂ニュータウン

京都の緑豊かなニュータウン：桂坂ニュータウンの魅力

京都府京都市西京区に位置する桂坂ニュータウンは、西山丘陵の南斜面に広がる、緑豊かな計画都市です。西洋環境開発（現在はユニホーが事業を継承）が1984年から2011年にかけて約27年にわたり段階的に開発されました。自然と調和した街づくりを理念に掲げ、住宅地、商業施設、公共施設などが一体的に整備されています。

ゆとりある住環境と住民参加

桂坂ニュータウンの最大の特徴は、その緑豊かな環境と、住民参加による街づくりです。傾斜地形を生かした設計により、ゆとりある空間が確保され、多くの住宅が戸建て住宅となっています。開発当初から導入された建築協定は、住民による活発な運営が続けられており、その高い合意率は全国的にも高く評価されています。地区計画や地区整備計画もほぼ全域で決定されており、開発理念に基づいた環境と景観の維持に継続的に取り組んでいます。近年はマンション建設も一部で見られるようになりました。

歴史と文化が息づく街

桂坂ニュータウンの土地は、古くから歴史と文化が息づく場所でした。ニュータウン開発中には、23基の古墳からなる大枝山古墳群が発掘され、その一部は「桂坂古墳の森」として公園となり、現在も保存されています。また、中世には法華山寺が存在した歴史があり、その跡地には峯ヶ堂城が築かれたと伝えられています。これらの歴史的遺構は、ニュータウンの開発計画においても考慮され、自然環境との調和が図られました。現在でも、ニュータウン内には、柿畑や竹林など、昔ながらの景観の一部が残されています。

アクセスと街の機能

桂坂ニュータウンは、鉄道駅が近隣にないため、バスが主要な交通手段となります。京都市営バス、京阪京都交通、ヤサカバスが運行しており、ニュータウン内には複数のバス停が設置されています。主要な幹線道路である桂坂南本通と桂坂中央通は電線が地中化され、景観に配慮されています。

ニュータウン内には、京都市立桂坂小学校、京都市立大枝中学校をはじめ、京都大学桂キャンパス、国際日本文化研究センターなどの教育・研究機関、保育所や老人ホームなどの福祉施設、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの商業施設が充実しています。また、公園や児童公園も数多く整備され、住民の生活を支えています。

街のシンボル：モミジバフウ並木とロータリー交差点

桂坂南本通沿いに植樹された約400本のモミジバフウは、秋の紅葉が見事で、地域外からの観光客も多く訪れます。しかし、近隣に駐車場が少ないため、路上駐車や危険な撮影行為などが問題となっています。

ニュータウンの中央部には、下狩川が流れる珍しいロータリー交差点があり、海外の高級住宅街のような雰囲気を醸し出しています。このロータリー交差点は、ボンエルフと呼ばれる、道路の高さを低く抑える設計が採用されています。

開発の歴史

桂坂ニュータウンの開発は、1960年代後半に始まりました。アトリエ・アルパック（現在の地域計画建築研究所）がマスタープランを担当し、自然環境との調和を重視した計画が立てられました。その後、京都市との協議を経て、1984年に造成工事が着工、1986年にまち開きを迎えました。開発は順次進み、現在では15の自治会からなる成熟したニュータウンとなっています。開発過程においては、住民の意見が積極的に取り入れられ、自治会活動も盛んに行われています。

まとめ

桂坂ニュータウンは、自然と歴史、そして住民参加が一体となった、ユニークなニュータウンです。緑豊かな環境、充実した公共施設、そして歴史的建造物の保存など、多くの魅力を備えています。今後も、住民と行政が協力して、この豊かな環境とコミュニティを守り、発展させていくことが期待されます。

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