桂小鯛

上方落語家 桂小鯛：岡山から上方落語界へ羽ばたく若き才能

桂小鯛は、上方落語界で活躍する人気落語家です。1984年岡山県倉敷市生まれ。本名は和田康典。その芸名「小鯛」には、上方落語の歴史と師匠との繋がり、そして彼自身の個性を感じさせる興味深い由来があります。

芸名「小鯛」の由来

「小鯛」という芸名は、上方落語の名跡の一つです。その起源は、初代桂文團治のあだ名「塩鯛」に遡ります。文團治の系統を受け継ぐ一門において、「小鯛」の名は脈々と受け継がれ、桂小鯛は、その系譜に連なる落語家として、伝統と革新を繋ぐ役割を担っています。また、彼は三代目桂塩鯛の門下生という繋がりも持ちます。

経歴：ラジオパーソナリティから落語会主催者へ

桂小鯛は、2007年に桂都丸（現・4代目桂塩鯛）に入門。同年11月、北座染屋町寄席で初舞台を踏みました。2010年には師匠の襲名に伴い、現在の芸名「小鯛」に改名。その後は精力的に活動し、2015年には地元岡山でラジオ番組「昼からど〜だい！」のパーソナリティを務めました。しかし、ある自動車教習所を批判したことがきっかけで、わずか1年で番組を降板するという経験もしています。

落語家としての活動に加え、桂小鯛は意外な一面も持ち合わせています。2018年にはベンツを購入。この出来事がきっかけとなり、同年には「メルセデスベンツ非公認　桂小鯛ベンツ購入記念落語会」を動楽亭で開催。多くの仲間である上方落語家たちが飛び入り参加するなど、大きな話題となりました。このエピソードは、彼の親しみやすさと、落語界における人脈の広さを物語っています。

受賞歴と今後の活躍

桂小鯛は、数々の賞を受賞しており、その実力は高く評価されています。2014年には第9回繁昌亭大賞輝き賞、そして2021年には第7回上方落語若手噺家グランプリで優勝を果たしました。これらの受賞は、彼の才能と努力の証であり、今後の更なる活躍を期待させるものです。

岡山でのラジオパーソナリティ経験、そしてベンツ購入を機に開かれた落語会など、桂小鯛の経歴は、型にはまらない個性と、落語家としての揺るぎない実力を示しています。上方落語の伝統を守りながら、新たな試みにも果敢に挑戦する彼の今後の活躍から目が離せません。上方落語界を代表する若手実力者として、ますますの飛躍が期待されます。彼の落語には、伝統と現代が融合した、独特の味わい深さがあります。今後も、多くの観客を魅了し続けることでしょう。

参考資料

『落語系圖』（月亭春松編）
桂小鯛 天満天神繁昌亭 落語家名鑑

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