桂州

桂州は、中国の広西チワン族自治区桂林市一帯に、南北朝時代から宋代にかけて設置された州です。その歴史は、南朝梁の時代に始まり、隋代、唐代を経て、宋代に静江府へと昇格するまで、政治的、地理的に重要な役割を果たしました。

魏晋南北朝時代

507年（天監6年）、南朝梁により広州が分割され、新たに桂州が設置されました。この時、桂州は広州から分離した地域を管轄することとなりました。さらに、540年（大同6年）には、湘州の南桂林など24郡が廃止され、その管轄地域が桂州に移管されました。これにより、桂州の管轄範囲は大きく拡大し、州治は始安郡に置かれることとなりました。

隋代

589年（開皇9年）、隋が南朝陳を滅ぼすと、桂州に属していた郡は廃止され、その属県は桂州の直轄となりました。これは、中央集権化を進める隋の政策の一環と考えられます。しかし、607年（大業3年）には州そのものが廃止され、郡が置かれることとなり、桂州は始安郡と改称されました。始安郡は、下部に15県を管轄する広大な地域を治めることとなりました。

唐代

621年（武徳4年）、唐が蕭銑を滅ぼすと、始安郡は再び桂州と改められました。しかし、その名称は安定せず、742年（天宝元年）には始安郡に、757年（至徳2載）には建陵郡へと、短期間に二度も改称されました。そして、758年（乾元元年）には、建陵郡から桂州へと名称が戻され、以降は桂州として安定することとなりました。唐代の桂州は、嶺南道の桂管十五州に属し、臨桂・永福・理定・全義・霊川・茘浦・修仁・豊水・慕化・陽朔の10県を管轄しました。

宋代

北宋の時代、桂州は広南西路に属し、臨桂・永福・理定・興安・霊川・茘浦・修仁・永寧・義寧・古・陽朔の11県を管轄しました。この時代、桂州は周辺地域の行政、経済、文化の中心地として発展を続けました。そして、1133年（紹興3年）には、南宋により桂州は静江府に昇格し、その歴史に新たな章が加わることとなりました。

桂州は、その成立から静江府への昇格まで、中国の地方行政制度の変遷を色濃く反映した地域であり、その歴史を紐解くことは、中国史を理解する上で重要な意味を持つと言えるでしょう。

もう一度検索