桂春若

桂春若：上方落語の真髄と多様な才能

1951年、大阪府泉佐野市に生まれた桂春若は、上方落語界を代表する落語家の一人です。本名は西口雅彦。幼少期から「笑点」を愛し、特に立川談志に憧れを抱いていました。大阪での「笑点」公開収録に遭遇した際、楽屋を訪ねて弟子入りを志願するも、談志が先に立ち去ったため、その夢は叶いませんでした。しかし、その日共演していた漫才師と3代目桂春団治との出会いが、彼を上方落語の世界へと導きます。

当初は春団治への弟子入りを両親の反対で断念したものの、粘り強く交渉を続け、1970年3月、晴れて入門を果たします。師匠譲りの端正な芸風を継承し、「有馬小便」「京の茶漬け」「抜け雀」「米あげ笊」「天狗裁き」といった演目を得意としています。高座に上がる前には、必ずいくつかジョークを交えるのも彼の持ち味です。

桂春若の芸は、伝統的な上方落語の粋を凝縮したものでありながら、現代的な感覚も取り入れています。彼の軽妙な語り口と巧みな話術は、幅広い世代の観客を魅了し続けています。

落語家としての活動に加え、桂春若は西成寄席やひらの寄席など、複数の地方寄席の主宰も務めています。地方落語の発展にも大きく貢献しており、その功績は高く評価されています。

さらに、彼の多才ぶりは落語のみにとどまりません。幼少期から競馬に親しみ、現在も競馬を愛好しています。また、住之江競艇場のミニFM「FM住之江」のパーソナリティとしても活躍中。海野ゆかりの大ファンであることも公表しており、その多様な興味関心が、彼の豊かな人間性を物語っています。

1973年には、元漫才師の木村リップ・チップのチップと結婚。家庭を築きながら、落語家としてのキャリアを着実に積み重ねてきました。

桂春若は、上方落語の伝統を守りながら、独自のスタイルを確立し、現代に生きる落語家として活躍しています。その芸風は端正で、聴く者を魅了する力を持っています。また、地方寄席の主宰やラジオパーソナリティなど、多様な活動を通して、上方落語の普及に貢献しています。彼の活躍は、上方落語界のみならず、日本の芸能界全体にとっても貴重な存在と言えるでしょう。

彼の今後の活躍にも期待が高まります。

経歴

1951年：大阪府泉佐野市に生まれる
1970年：3代目桂春団治に入門
1973年：結婚
現在：上方落語協会会員、松竹芸能所属、地方寄席主宰、FM住之江パーソナリティとして活躍中

主な演目

有馬小便
京の茶漬け
抜け雀
米あげ笊
天狗裁き

関連事項

上方落語
3代目桂春団治
立川談志
海野ゆかり
木村リップ・チップ
松竹芸能
上方落語協会

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