桂林府

桂林府は、中国の歴史において、明代から民国初期にかけて存在した地方行政区画です。現在の広西チワン族自治区桂林市を中心とする地域に設置されていました。この府は、時代とともにその管轄範囲や行政組織を変化させながら、地域社会の形成に重要な役割を果たしました。

明代における桂林府

1368年（洪武元年）、明朝はそれまで存在した静江路を改め、静江府を設置しました。その後、1372年（洪武5年）には、静江府は桂林府と改称され、新たな歴史を歩み始めました。この桂林府は広西省に属し、直轄地として臨桂県、興安県、霊川県、陽朔県の4県を抱えていました。さらに、全州に属する灌陽県、そして永寧州に属する永福県と義寧県の2県を加え、合わせて2州7県を管轄する広大な領域を統治しました。

清代における桂林府

清朝の時代に入ると、桂林府は引き続き広西省に属し、その管轄体制にも変化が見られました。臨桂県、興安県、霊川県、陽朔県、灌陽県、永福県、義寧県の7県に加え、全州と永寧州という2つの州、そして竜勝庁と中渡庁という2つの庁が加わり、合計2庁2州7県を管轄するようになりました。この変化は、清朝の地方行政制度の変遷を反映しており、桂林府がより複雑な行政組織へと発展したことを示しています。

中華民国による廃止

1913年、中華民国が成立すると、地方行政区画の再編が行われました。この改革の中で、桂林府は廃止され、その長い歴史に幕を閉じました。これにより、桂林府は新たな行政体制へと移行し、その地域は近代的な国家の一部として再編されることになりました。

桂林府の歴史は、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で重要な事例であり、この地域が辿ってきた歴史的背景を理解する上で欠かせない要素です。明代から民国初期にかけて存在した桂林府は、その管轄区域の変化や行政組織の変遷を通じて、地域社会の歴史的な流れを物語っています。

まとめ

桂林府は、明代から民国初期にかけて、広西チワン族自治区桂林市一帯に存在した地方行政区画でした。明代には静江府から桂林府へと改称され、広西省に属し2州7県を管轄しました。清代には管轄範囲が拡大し、2庁2州7県を管轄しました。しかし、1913年に中華民国によって廃止され、その歴史に幕を閉じました。桂林府の変遷は、中国の地方行政制度の歴史を理解する上で貴重な資料です。

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