陽朔県

陽朔県：桂林の美しき宝石

中国広西チワン族自治区桂林市に位置する陽朔県は、その美しい自然と豊かな歴史文化で知られる、中国を代表する観光地です。桂林盆地の南東端に位置し、漓江の西岸に沿って広がる陽朔県は、独特のカルスト地形が織りなす絶景が魅力です。詩人・呉邁が『桂林山水』の中で「陽朔堪称甲桂林（陽朔は桂林の中でも最も優れている）」と詠んだように、その景観は古くから高く評価されてきました。

経済と観光

改革開放政策以降、陽朔県は積極的に観光業への投資を行い、対外開放の観光都市として発展を遂げています。その美しい景観は多くの観光客を惹きつけ、観光業は現在、陽朔県の経済を支える重要な柱となっています。

見どころ

陽朔県には数多くの観光スポットが存在します。外国人観光客に人気の高い西街（洋人街）は、独特の雰囲気を持つエリアとして知られています。映画『劉三姐』の撮影が行われた大榕樹景区、神秘的な雰囲気を漂わせる月亮山、龍潭など、自然の景観も豊富です。近年開発された世外桃源風景区や胡蝶泉風景区も、新たな魅力として人気を集めています。

特に注目すべきは、張芸謀監督が手掛けた野外ショー『印象劉三姐』です。山と水を舞台とした大規模な演出は、中国初の試みとして大きな話題となり、改良を重ねながら現在も多くの観光客を魅了しています。

自然景観だけでなく、人文景観も充実しています。漓江と碧蓮峰の下にある摩崖石刻、中国近代絵画の巨匠・徐悲鴻の旧居、そして孫中山が北伐講演を行った場所なども、歴史と文化に触れる貴重なスポットです。

歴史

陽朔の歴史は古く、前漢の時代に荊州零陵郡始安県として設置されたのが始まりです。その後、後漢では始安侯国となり、三国時代の呉では尚安県・熙平県が置かれました。西晋、南朝梁を経て、隋の開皇10年（590年）、始安県の県治が現在の陽朔鎮に移転し、県名が「陽朔」に改められました。この地名は、県治が置かれた羊角山の麓に由来し、「羊角」と「陽朔」が同音であることから名付けられました。唐の時代には帰義県が設置されましたが、後に陽朔県に統合され、現在に至っています。

行政区画と交通

陽朔県は6つの鎮と3つの郷から構成されています。交通アクセスも良好で、貴広旅客専用線陽朔駅を利用できます。高速道路（呼北高速道路、包茂高速道路）や国道（G321国道）も整備され、陸路でのアクセスも容易です。

国際交流

陽朔県はアメリカ合衆国サウスダコタ州ラピッドシティと姉妹都市提携を結んでおり、国際的な交流も盛んです。

まとめ

陽朔県は、美しい自然、豊かな歴史文化、そして充実した観光資源を備えた魅力的な地域です。 中国を訪れる際には、ぜひ一度訪れて、その素晴らしさを体感してみてください。

もう一度検索