桂秀馬

桂 秀馬（かつら ひでま）

桂秀馬は1861年4月9日に越後国新津で生まれた明治時代の外科医であり、侍医としても活躍しました。彼は東京帝国大学医学部を卒業した後、ドイツから招聘された外科医、ユリウス・スクリバ博士の助手として彼の下で学び、後に済生学舎や第一高等中学校で教壇に立ちました。1889年には宮内省侍医局に異動し、侍医としての道を歩み始めました。

生涯の主な出来事

桂は明治31年に医術開業試験委員に就任しました。また、明治33年にはパリで開催される万国医事会議の出席を命じられ、欧州の医療界との交流を深めました。彼が侍医局の主事に昇格したのは明治37年のことです。

1911年4月に病を患い、休職を余儀なくされ、同年11月には東京都小石川区でこの世を去りました。彼の功績が認められ、死後に従四位を叙されました。彼の墓所は護国寺にあり、他の著名な人物たちと共に安らかに眠っています。

エルトゥールル号遭難事故の救助

1890年9月、オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が帰国途中に台風に遭い、和歌山県で座礁し失敗しました。桂はこの大惨事の報告を受け、宮内省から現地救助に派遣されています。救助活動には日本赤十字社も関与し、神戸に設置された病院で生存者の治療が行われました。桂たちの尽力により、発見された生存者が安全にオスマン帝国に帰国できました。この功績により、桂は1891年にオスマン帝国から勲章を授与されました。

医学校の設立と外科専門医の集談会

桂は済生学舎で教鞭を執り、明治36年にはこの学校が廃校となるが、旧教員や卒業生の協力で後に私立日本医学校設立の基盤が整えられました。さらに、東京医学校も創立され、桂の後の活動が道を開きました。

また、彼は東京での外科医同士の集いである「外科集談会」を設立し、専門医たちが自由に研究や議論を行う場ともなりました。この集談会は毎月行われ、医学界に重要な影響を与えたのです。

文筆活動と栄典

桂秀馬は多くの論文や著作を残しています。彼の著作には、「実用繃帯学」や「外科類症鑑別」などがあり、外科学の発展に貢献しました。彼はまた、明治39年に従軍記章を受けるなど、栄誉も多く受けました。

まとめ

桂秀馬は外科医として多大な功績を残しただけでなく、日本の医学教育の発展にも寄与した立役者です。彼の生涯と業績は、医学界において重要なマイルストーンとなっており、未来の医療に対する道を開くことに繋がりました。

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