護国寺

護国寺について

護国寺（ごこくじ）は、東京都文京区大塚五丁目にある真言宗豊山派の寺院で、「神齢山悉地院大聖護国寺」とも称されます。この寺は1681年に設立され、その創建の背景には徳川幕府や桂昌院の願いがありました。彼女のために、元々高崎の大聖護国寺にいた亮賢がその拠点を移して設立しました。

創建の歴史

護国寺の本尊は桂昌院が信仰した「琥珀如意輪観音」であり、絶対秘仏とされています。また、本堂には如意輪観世音菩薩が祀られています。江戸時代には、非常に多くの信者が訪れ、特に「江戸三十三観音札所」の第13番として人気がありました。境内は「音羽富士」と名付けられた富士塚を含む魅力的な場所です。

護持院とその退廃

護国寺の中に存在した護持院は、享保2年に災害で焼失し、その後護国寺内に移転しました。この護持院は高位の新義真言宗の寺院であり、護国寺の住職が護持院の住職も兼任していましたが、明治時代の神仏分離令によって廃院となりました。

明治維新後の変化

明治維新の後、護国寺は幕府の後ろ盾を失ったため、経済面で困難に直面しました。境内土地の一部は皇族の墓地に変化し、大正から昭和初期にかけての整備や茶道の推進に大きく寄与したのは、高橋義雄という実業家でした。彼は多くの構造物を再建し、茶会などのイベントも行われるようになりました。

墓地と著名人

護国寺の境内には多くの歴史的な人物の墓所が存在します。特に、大隈重信や山縣有朋、また明治天皇の側室たちもここに葬られています。護国寺の墓地には、名高い政治家、実業家、文化人たちの霊が安らいでいます。重要文化財も数多く保有し、本堂などは特に評価されています。

文化財と見どころ

護国寺は多くの文化財を有しており、元禄10年に建立された本堂や、別院の月光殿を見学することができます。特に、月光殿は滋賀の園城寺から移築されたもので、桃山時代の美しい作品です。また、絹本著色尊勝曼荼羅図や金銅製の五鈷鈴なども重要文化財として保存されています。

アクセス

護国寺へのアクセスは、東京メトロ有楽町線の護国寺駅から数歩の距離です。バス利用者は、都02乙線や上58線で「護国寺正門」にて降りることができます。

護国寺はその長い歴史と文化的な価値から、多くの人々に愛され、訪れられています。神聖な場所として、現代でも信仰とともに文化財としての役割を果たしています。

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