桂米左

桂米左：上方落語界を彩る実力派

1965年、大阪市に生まれた桂米左は、上方落語界を代表する落語家の一人です。都島工業高校卒業後、1984年3月、上方落語の巨匠・3代目桂米朝に入門。同期には桂米裕、そして中学校時代からの親友である桂又三郎がいました。又三郎とは、中学校の落語研究会で切磋琢磨し、高校時代には共に毎日放送の『素人名人会』で名人賞を受賞するなど、幼い頃から互いに才能を認め合う間柄でした。

同年6月、東山安井金比羅会館で行われた「桂米朝落語研究会」で、桂米左は満を持して初舞台を踏みます。持ちネタである「錦影絵」は、彼の芸の幅広さを象徴する演目のひとつと言えるでしょう。

桂米左は落語家としての才能だけでなく、多彩な才能の持ち主でもあります。長唄囃子望月流の名取であり、望月太八一郎を師事し、「望月太八三」の名も持つ彼は、音楽にも造詣が深いことを伺わせます。さらに、書道6段の腕前を持つなど、その才能は多岐にわたります。

師匠である桂米朝との関係も特筆すべき点です。酒豪として知られる桂米左は、米朝が健在だった頃、度々酒席に招かれ、師弟関係を超えた「飲み友達」として親交を深めました。酒の席でのユーモラスなエピソードも数多く残っており、その関係性が彼の芸風にも影響を与えていることは想像に難くありません。時には酔った勢いで喧嘩をすることもあったそうですが、それもまた師弟間の深い信頼関係の表れと言えるでしょう。

桂米左の芸風は、彼の多様な経験と才能によって培われた、独特のものです。彼の落語には、大阪の街の風情や人情が色濃く反映されており、聴く者の心に深く響きます。

また、入門当時には「桂米左」の高座名が候補に挙がっていた桂ざこばとの関係も興味深いところです。二人の間には、長年の芸歴で培われた、独特の絆が存在していると言えるでしょう。

現在も桂米左は、上方落語協会会員として精力的に活動しており、自身のブログ「左っ記帳」でも近況を報告しています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

桂米左の芸を通して、上方落語の魅力を再発見し、日本の伝統芸能の素晴らしさを改めて感じることができるでしょう。彼の落語は、単なる笑いの提供だけでなく、人生の機微や人間の温かさ、そして時代を超える普遍的なテーマを私たちに伝えてくれます。これからも桂米左の活躍から目が離せません。

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