桂英昭

桂英昭：熊本を代表する建築家

桂英昭氏は1952年、福岡県北九州市に生まれ、現在熊本大学工学部環境システム工学科准教授として後進の育成にも携わる、日本を代表する建築家の一人です。熊本県を主な活動拠点とし、数々の個性豊かな建築物を設計・建設することで知られています。

教育とキャリア

桂氏は、熊本大学大学院工学研究科で建築学修士号を取得した後、フロリダ大学大学院へ留学。国際的な視野と高度な専門性を身につけました。帰国後は熊本大学工学部にて教務助手などを経て、准教授の職に就き、教育者としてのキャリアを積み重ねています。 さらに、国立八代工業高等専門学校において助手、講師、助教授として長年にわたり教育に貢献しました。1995年には九州大学工学部非常勤講師も務めています。

代表作と建築哲学

桂氏の建築作品は、地域性と自然環境を尊重したデザインが特徴です。代表作である湯前まんが美術館は、その好例と言えるでしょう。この美術館は、地域文化と建築の融合を見事に体現した、桂氏の建築哲学が凝縮された作品です。

その他にも、木魂館、球磨村ふるさと振興センター、球泉洞森の香房・バイオ館、さかもと館、荒瀬ダムボートハウス、電源開発豊肥地熱事業所、ZOOTOPIA、小国町総合交流促進施設、50M-櫟の森美術館、特別養護老人ホーム「桜の里」など、多岐にわたる建築物を手掛けています。これらの作品群は、それぞれ異なる地域や用途に合わせた、創意工夫に富んだ設計思想が感じられます。

受賞歴と社会的貢献

桂氏の高い設計力と建築への情熱は、数々の賞に輝いています。1983年にはR.M.HOUSE公開設計競技で最優秀賞を受賞。1988年にはSDレビュー朝倉賞（木魂館）を受賞するなど、建築界において高く評価されています。

2005年にはくまもとアートポリスアドバイザーに就任し、地域文化の振興にも大きく貢献しています。この活動は、桂氏の建築家としての活動のみならず、社会貢献への意識の高さを示すものと言えます。

出版物

桂氏は、建築に関する書籍を複数出版しており、その専門知識を広く社会に発信しています。「熊本の町並み」「図説-日本の町並み（12-南九州・沖縄編）」「ヴィジュアル版建築入門-5建築の言語」「風土・地域・身体と建築思考-14＋３の建築家との対話」など、建築史や建築設計に関する深い知識と独自の視点が盛り込まれた著作は、建築を学ぶ者にとって貴重な資料となっています。

まとめ

桂英昭氏は、建築家として、教育者として、そして社会貢献者として、多方面で活躍する稀有な存在です。その活動は、熊本のみならず、日本全国、そして世界にまで影響を与え続けています。地域に根ざした設計思想と国際的な視野を併せ持つ桂氏の今後の活動からも目が離せません。

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