桂邦彦

桂邦彦：バラエティ番組の巨匠、その軌跡

桂邦彦氏は、日本のテレビ界に多大な貢献を果たした敏腕プロデューサー、演出家です。1942年生まれ、神奈川県出身。東京都立新宿高等学校、日本大学芸術学部卒業という経歴を持ち、相撲とテニスを趣味とする多彩な一面も持ち合わせています。1965年、東京放送（TBS）に入社すると、以降数々のバラエティ番組制作に携わりました。

ビートたけしとの黄金時代と『風雲！たけし城』

桂氏のキャリアにおいて最も重要な役割を果たしたのは、ビートたけし氏出演番組の制作です。数々のたけし氏番組を手がけ、「伝説のプロデューサー」と呼ばれる所以となっています。中でも1986年から放送開始された『痛快なりゆき番組 風雲！たけし城』は、桂氏の代表作にして、最大の成功を収めた番組です。この番組の大ヒットにより、プロデューサーから副部長へと昇進しました。

『風雲！たけし城』では、野外ロケで出場者に豚汁を振る舞うなど、視聴者へのサービス精神も旺盛でした。さらに、番組内では審査員や出演者として自らも活躍。たけし氏からはラジオ番組『オールナイトニッポン』で名前を挙げられ、いじられるほど親しい関係を築いていました。

新境地を開拓した『サンデーお笑い生中継』

TBSでのネット開始番組『ヤングおー!おー!』（MBS制作）では、東京収録のディレクターを担当。この時、毎日放送の林誠一氏から東京と二元中継によるお笑い番組制作を提案され、共同で『サンデーお笑い生中継』を立ち上げました。これは桂氏にとって初のプロデュース作品となり、東京側の司会に当時無名だったタモリ氏、レギュラーにツービートなど人気上昇中の浅草芸人を抜擢するという、斬新なキャスティングが話題となりました。番組は7ヶ月で終了しましたが、東西独特のキャスティングは後の漫才ブームに影響を与えたとされています。

プロデューサーとしての歩みと独立

その後、1996年には1年間のアメリカ留学を経験。2002年にTBSを定年退職すると、東京都港区赤坂に株式会社桂芸能社を設立し、独立を果たしました。

相撲との深い縁

桂氏は幼少期から相撲が得意で、小学生時代にはクラス全員を破ったり、隣町の町内相撲大会に出場して賞金を獲得するほどの腕前でした。力士を志望するほど相撲に情熱を注いでいましたが、父親の反対により断念しています。その経験が『風雲！たけし城』での「相撲でポン！」コーナーへの出演へと繋がっています。同コーナーでは、1986年9月の放送でたけし氏を相手に6連勝するなど、相撲の実力を披露しました。また、『オールスター感謝祭』（1995年～1997年）では、大相撲赤坂場所の行司を務めるなど、相撲との関わりは生涯に渡って続いています。

他の功績と人脈

桂氏は、『風雲！たけし城』以外にも多くの番組をプロデュース、演出していますが、それらの多くは短命に終わっています。それでも、多くの番組制作に携わった経験と人脈は、後進の育成に大きな影響を与えていると言えるでしょう。爆笑問題を『GAHAHAキング 爆笑王決定戦』に出演させるなど、才能を見抜く慧眼も持ち合わせていました。

桂邦彦氏の功績

桂邦彦氏は、ビートたけし氏とのタッグで数々のバラエティ番組を世に送り出し、日本のテレビ界に大きな足跡を残しました。その功績は『風雲！たけし城』だけにとどまらず、多くの番組制作を通じて培われた経験と人脈は、後進の育成にも大きく貢献しています。相撲好きという意外な一面も持ち合わせた、魅力的な人物像がそこにはあります。

主要担当番組一覧

（番組名は本文中に記載されているものと重複する可能性があります）

レギュラー番組多数
『風雲！たけし城』
『サンデーお笑い生中継』
その他多数のスペシャル番組、CS番組

関連人物

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居作昌果
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