桐原町

神奈川県藤沢市の北部に位置する地名、桐原町（きりはらちょう）は、その領域のほぼ全てが広大な桐原工業団地によって占められています。この地域には一般の住居が少なく、定住する住民は確認されていません。

地理

藤沢市の北部地域に展開する桐原町は、市が推進した北部工業開発計画の一環として区画整理された工業専用地域です。その大部分が桐原工業団地を構成しており、様々な企業が進出しています。地区の北部には、藤沢市リサイクルプラザや桐原環境事業所といった市の管理する施設も設けられています。北側では、いすゞ自動車藤沢工場の広大な敷地に隣接しており、藤沢市北部の主要な工業エリアとして一体的な様相を呈しています。一方、東に位置する円行や、西および南に接する石川といった周辺地域では、近年、住宅地や商業地としての開発が進み、市街地化の傾向が見られます。

桐原工業団地

桐原町の中心をなす桐原工業団地は、藤沢市が事業主体となって運営・管理されています。総面積は約54万4800平方メートルに及び、20社程度の企業が活動の拠点を置いています。この団地は全域が工業専用地域に指定されており、製造業を中心に様々な分野の工場や事業所が集積しています。

主な立地企業としては、株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ藤沢事業所、シロキ工業株式会社藤沢工場、株式会社アイメス本社、株式会社オシキリ本社・湘南工場、日本ギア工業株式会社藤沢工場、オイレス工業株式会社本社・藤沢事業場、日本精工株式会社藤沢工場桐原棟、AKS東日本株式会社本社・藤沢工場、鈑金工業株式会社本社・工場、佐藤商事株式会社神奈川支店、神奈川コイルセンター、フジオーゼックス株式会社藤沢工場、東邦精機株式会社藤沢工場、株式会社セイミツ藤沢工場、神峯電子株式会社本社・工場などが挙げられます。

経済センサスなどの調査によると、桐原町における事業所数や従業員数は時期によって変動が見られる状況です。

歴史

桐原の地名は古くから確認されており、平安時代末期には、鎌倉党の大庭氏から派生した「桐原氏」という名の武士団が存在しました。現在の桐原町周辺が、この桐原氏の本拠地であったとする説も存在します。近現代においては、藤沢市が主導した北部工業開発計画に基づいて、桐原工業団地の造成事業が進められました。この計画と同時に、隣接する石川地域や円行地域の一部が分離され、新たな町として桐原町が成立しました。工業団地の造成が始まる以前、この地には「轡が窪（くつわがくぼ）」と呼ばれる窪地があり、そこでは馬の蹄鉄に関わる鍛冶業などが営まれていたという記録も残されています。石川や円行といった周辺地域の歴史も、桐原町の成り立ちと関連が深いです。

沿革

桐原町の歴史における主な出来事は以下の通りです。

- 1966年（昭和41年）10月29日：藤沢市北部工業団地造成事業が完了し、桐原町が正式に設置されました。
- 1967年（昭和42年）3月28日：桐原工業団地が完成し、計画当初の21社が進出を完了しました。
- 1967年（昭和42年）4月1日：団地内に憩いの場として桐原公園が開園しました。
- 2014年（平成26年）4月1日：リサイクルプラザ藤沢内に、環境問題への理解を深めるための啓蒙施設がオープンしました。

交通

桐原町内には、現在、鉄道路線は通っていません。最寄りとなる鉄道駅は、小田急江ノ島線、相模鉄道いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れる湘南台駅となります。バス路線については、神奈川中央交通の路線が運行されており、周辺地域や駅とのアクセスを担っています。主要な道路としては、神奈川県道403号菖蒲沢戸塚線や、都市計画道路石川下土棚線などが地区内を通っています。

主な施設

桐原町内に所在する主な公共施設としては、藤沢市の行政機関である藤沢市役所桐原環境事業所、資源循環の拠点であるリサイクルプラザ藤沢、そして地域の緑地空間である桐原公園が挙げられます。リサイクルプラザ藤沢には、環境に関する展示や学習施設も併設されています。

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