桐生新川球場

桐生新川球場について

桐生新川球場（きりゅう・しんかわきゅうじょう）は、群馬県桐生市にかつて存在した野球場で、現在は新川公園として整備されています。この球場は1928年に開場し、日本の野球史において重要な役割を果たしました。かつての栄光を振り返りながら、この歴史的な場所について詳しく見ていきます。

建設の背景

桐生新川球場の建設は、桐生市体育協会の会長である堀祐平氏の尽力によるものでした。彼は地元の財界の協力を得て、野球場だけでなく、陸上競技場や水泳場などを併設した総合運動公園の建設を計画しました。堀氏自身が資金を提供し、約10か月の工事を経て、1928年に完成しました。1934年には昭和天皇のご行幸を受け、以降1937年からは桐生市が施設を管理することとなりました。

戦後の活動

1945年11月24日、桐生新川球場では職業野球東西対抗戦が開催されました。当時、群馬県内の主要都市は戦災に見舞われていたものの、桐生市は幸いにも無事でした。この試合は、元々明治神宮野球場で行われる予定でしたが、雨天の影響で急遽桐生新川球場で実施されたと言われています。さらに、戦後初の職業野球試合であり、アメリカ軍の軍人を招待した親睦試合も記録されています。

その後も桐生新川球場は多くの試合を開催しましたが、1947年のカスリン台風によりスタンドが倒壊する事故が発生しました。この影響を受けたものの、復旧工事を経て、1958年までに17試合のプロ野球が行われるなど、地元の野球熱は続きました。

地元の名門校と老朽化

桐生新川球場は、地元の名門校である桐生高等学校が活躍する場所でもありました。地元の人々にとって、この球場は単なるスポーツ施設以上の意味を持つ存在でした。しかし、老朽化が進むにつれ、1990年代後半には閉鎖の危機が訪れました。1987年10月に開催された「さよならマラソン野球大会」をもって、桐生新川球場は閉鎖されました。

再整備と現状

その後、桐生新川球場は桐生駅周辺の再開発の一環として新川公園に再整備され、多様な用途に供されています。2023年には、日本野球機構などが中心となって「日本野球聖地・名所150選」に選ばれ、桐生新川球場跡もその一部と承認されました。これを受けて、桐生市は9月10日を地域独自の記念日「球都・桐生の日」として定め、様々な野球関連イベントが展開されています。

球場データ

• - 両翼：84.1m
• - 中堅：108.2m
• - 公式戦初開催：1947年8月2日・金星スターズ対東京巨人軍戦
• - 公式戦最終試合：1958年10月5日・大毎オリオンズ対東映フライヤーズ戦
• - 公式戦開催試合数：17試合

桐生新川球場はその歴史を通じて、多くの人々に愛され続けた場所でした。その遺産は今も新川公園として多くの人々に楽しまれています。

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