桑田佳祐 LIVE TOUR & DOCUMENT FILM 「I LOVE YOU -now & forever-」完全盤

桑田佳祐 LIVE TOUR & DOCUMENT FILM「I LOVE YOU -now & forever-」完全盤：熱狂と感動の軌跡

2013年3月13日、桑田佳祐のライブビデオ『LIVE TOUR & DOCUMENT FILM「I LOVE YOU -now & forever-」完全盤』がDVDとBlu-rayで発売されました。この作品は、2012年9月から12月にかけて行われた全国ツアーの模様を余すことなく収録した、ファン必携のアイテムです。シングル「Yin Yang/涙をぶっとばせ!!/おいしい秘密|Yin Yang_涙をぶっとばせ!!_おいしい秘密」との同時発売となり、初回購入特典として、ツアー中に桑田佳祐が着用した鯉のぼり柄衣装をモチーフにした「こいの桑田御守」がプレゼントされました。

和をテーマにした独創的な演出

このツアーの大きな特徴は、何と言っても「和」をコンセプトとした演出です。桑田佳祐自身もWOWOWのインタビューや著書で、日本の伝統文化をステージに取り入れたいという構想を語っていました。ライブでは、鯉のぼり柄の衣装（最終日は波柄に変更）、歌舞伎風の口上、花魁風のダンサーによる口上など、「和」の要素が随所に散りばめられています。さらに、NHKの番組「ブラタモリ」を意識した演出も取り入れ、多様な表現方法で「和」の世界観を構築しています。ツアーを通して、「和む」「輪」といった新たな意味合いも加わり、桑田佳祐の「和」への想いが深まっていく様子が見て取れます。この「和」の精神は、その後もサザンオールスターズの活動にも影響を与え続けることとなります。

各地を巡る5年ぶりの全国ツアー

5年ぶりの全国ツアーは、宮城県総合運動公園総合体育館から始まり、北海道、福井、愛媛、広島、さいたまスーパーアリーナ、福岡、名古屋、大阪、そして横浜アリーナと、全国各地を巡りました。初日の宮城公演は、前年のライブで観客に「必ず帰ってくる」と約束したため、嘘をつきたくないという思いから選ばれたと言われています。宮城公演では、前年同様、縁日を模した「虹の広場」が設置され、温かい雰囲気を醸し出していました。

変化と進化を続けるライブパフォーマンス

このツアーでは、毎回演出やアレンジが少しずつ変化していくのも特徴です。サポートメンバーへのインタビューからも、その柔軟性と進化がうかがえます。「青葉城恋唄」は、北海道以外の全公演で、その土地に合わせた替え歌が披露され、観客を沸かせました。「幸せのラストダンス」では、結婚を控えたカップルを祝福する演出も。「Let's try again ～kuwata keisuke ver.～」では、東日本大震災の被災地の映像をバックモニターに流すなど、社会問題にも触れる演出もありました。「波乗りジョニー」では、桑田佳祐とダンサーの絡みが回を重ねるごとに変化し、最終的にはプロレスのような対立構造が生まれたというエピソードも興味深いものです。「100万年の幸せ!!」では、ゴールデンボンバーを意識した大仏姿のスタッフとの共演も実現しました。

豪華ゲストとの共演とサプライズ演出

ツアーでは、THE BAWDIES、くるり、斉藤和義、FUNKY MONKEY BABYS、いきものがかり、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Superflyといった豪華アーティストが、アンコールで桑田佳祐と共演。桑田佳祐は彼らのTシャツを着用し、エールを送りました。広島公演では、桑田佳祐が広島東洋カープのユニフォームを着て登場するサプライズ演出もありました。MCではメンバーそれぞれが個性を発揮し、観客を楽しませました。オープニングの歌舞伎風演出にはプロの演奏家が参加し、放送作家・演出家の中村健太郎が口上の台本を執筆するなど、細部までこだわり抜かれた演出となっています。

舞台裏のドキュメントと多くの著名人の来場

DISC2には、ツアー期間中の舞台裏を追ったドキュメント映像が収録されています。ナレーションは原由子が担当し、エンディングの写真は桑田佳祐自身が撮影したものです。このライブには、作家百田尚樹、落語家桂春蝶、作家角田光代・河野丈洋夫妻など多くの著名人が来場し、大きな感動と影響を与えました。

楽曲について

収録されている楽曲は、アルバム『I LOVE YOU』からの楽曲を中心に、桑田佳祐の代表曲から最新曲まで、幅広いセレクションとなっています。アレンジもオリジナルと一部変更された箇所があり、ライブならではの熱気と迫力が感じられます。ビートルズや日本の様々なアーティストの楽曲を取り入れたメドレーも披露され、桑田佳祐の音楽への深い愛情が伝わってきます。

この作品は、桑田佳祐の音楽性、表現力、そしてエンターテイナーとしての魅力が凝縮された、まさに「完全盤」と言えるでしょう。ツアーに参加できなかった方、もう一度その感動を味わいたい方、必見です。

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