桓守

桓守（かんしゅ）は、鎌倉時代後期に活躍した僧侶です。弘安7年（1284年）に、太政大臣である洞院公守の子として誕生しましたが、母親についての記録は残っていません。松岡、または岡崎という号を名乗っていました。

桓守の詳しい経歴を見ていきましょう。嘉暦4年（1329年）2月11日には、権僧正という位にあった時に、第117世天台座主に任命されました。天台座主は、天台宗の最高位であり、非常に名誉な地位です。しかし、桓守はその年の10月8日には、天台座主を辞任しています。この短期間での辞任の理由は、はっきりとは分かっていません。この出来事は『華頂要略』という書物に記録されています。

その後、桓守はさらに昇進し、法務大僧正という位にまで上り詰めました。これは僧侶としての最高位の一つであり、桓守が非常に高い地位を得ていたことが分かります。この事実は『尊卑分脉』という書物に記されています。

建武2年（1335年）1月28日には、中宮である珣子内親王の安産を祈願して、金剛童子法という特別な儀式を執り行っています。このことから、桓守が朝廷からも信頼され、重要な役割を担っていたことが窺えます。金剛童子法は、密教における重要な儀式であり、高い僧侶のみが執り行うことができました。

桓守には、桓豪という弟子がいました。桓豪もまた、桓守の影響を受けて仏道に励んだと考えられます。桓守の没年は明確には分かっていませんが、22日に亡くなったという記録が残っています。

桓守に関する資料としては、『天台座主記』があり、これは『群書類従』に収録されています。この資料には、桓守の天台座主としての活動や、その後の生涯についてさらに詳しい情報が記されている可能性があります。桓守は、鎌倉時代後期において、天台宗の重要な僧侶として、その足跡を残しました。彼の生涯は、当時の仏教界の状況を知る上で、貴重な手がかりとなります。

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