桜ケ丘町 (神戸市)

桜ケ丘町：歴史と自然、そして国宝が眠る街

神戸市灘区に位置する桜ケ丘町は、昭和31年（1956年）の宅地造成によって誕生しました。それ以前は申新田と呼ばれており、町名は戦後の命名ブームに乗って、美しく響き渡るような「～ヶ丘」という形式で名付けられました。現在では、住宅地として静かで落ち着いた雰囲気を持つ地域として知られています。

地理と人口

桜ケ丘町は、東と南に土山町、西に石屋川を挟んで一王山町、そして北には高羽と隣接しています。丁目という区分けはなく、一つの町名として住居表示されています。令和2年（2020年）の国勢調査によると、世帯数は756世帯、人口は1,956人（男性929人、女性1,027人）です。郵便番号は657-0021です。

地価

住宅地の地価は、平成26年（2014年）1月1日時点の公示地価によると、桜ケ丘町10-7の地点で1平方メートルあたり19万5000円とされています。これは、神戸市灘区における住宅地の地価水準を反映していると言えるでしょう。

弥生時代の驚異的発見：国宝の銅鐸群

桜ケ丘町は、考古学的にも非常に重要な場所です。昭和39年（1964年）、神岡と呼ばれる尾根の東側斜面で土採りをしていた際に、14面もの銅鐸と7本の銅戈が発見されました。これらは弥生時代の遺物と断定され、その後の発掘調査で、出土地の下方平地からは複数の住居や倉庫跡も発見されています。

特に注目すべきは、銅鐸の数です。通常、一つの集落に一つの銅鐸があると考えられていますが、桜ケ丘町では14個もの銅鐸が集中して出土しました。このことから、この地にあった集団が周辺地域を支配し、隷属の証として銅鐸を奉納したのではないかという説も提唱されています。

これらの銅鐸と銅戈は、現在国宝に指定されており、神戸市立博物館に大切に保管・展示されています。この発見は、桜ケ丘町だけでなく、日本における弥生時代研究においても重要な成果であり、全国的に知られる存在となっています。

まとめ

桜ケ丘町は、静かな住宅地としての側面と、弥生時代の大規模な遺跡の存在という、対照的な魅力を併せ持つ地域です。穏やかな生活環境と歴史的遺産が共存する、独特の雰囲気を持つ町と言えるでしょう。今後も、歴史的背景と地域社会の調和を保ちながら、発展を続けていくことが期待されます。

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