桜井志郎

桜井志郎について

桜井志郎（さくらい しろう）は、1907年4月9日に富山県で生まれ、1976年3月9日に亡くなった昭和期の著名な農林技官及び政治家です。彼の旧姓は南日であり、家族は農業を営む有名な一族でした。彼は富山中学校（現在の富山県立富山高等学校）を卒業後、第四高等学校を経て、1931年に東京帝国大学農学部農学科を優秀な成績で卒業しました。

早期の業務経歴

大学卒業後、桜井は大地主である桜井宗一郎の養子となり、農林省に入省します。ここから彼のキャリアが始まります。三重県では耕地課長として活躍し、次に和歌山県で農地部長として貢献しました。その後も農林省で土地改良課長、設計課長、建設部長等を歴任し、各地で農業インフラの整備に努めました。

桜井はまた、大学で講師を務めたり、日本農業土木学会の副会長を担ったり、国際かんがい排水委員会の日本代表として国際的な舞台でも活動していました。これにより、彼の専門知識と経験は広く評価されていました。

政治活動

1959年、桜井志郎は自由民主党から富山県地方区の候補として参議院議員に立候補し、初当選を果たします。1965年には再選され、連続して2期議員を務めました。この間、彼は参議院農林水産委員長や物価等対策特別委員長などの要職を歴任し、北陸自動車道や東海北陸自動車道の建設を推進しました。また、富山県の土地改良業を強化し地域経済の発展に寄与しています。

桜井の議会での発言や政策は、地域農業の振興と改善に向けて多くの影響を与えました。彼の努力により、土地改良事業が進展し、農業生産の効率化が図られたのです。

栄誉と死去

1976年3月9日に桜井志郎が68歳で逝去した際、彼の功績は広く知られ、死没日に勲二等旭日重光章を追贈されました。また、正六位から正四位へと叙位され、彼の社会的な信頼と業績が称えられました。

著作

桜井は、技術者としての視点を持ちながらも、彼の経験を記した著作も残しています。『土・水・人 : 一技術者のアメリカ視察記』という本では、アメリカでの視察に基づく洞察をまとめており、農業技術の国際的な視野を広げる一助となっています。

桜井志郎の生涯は、農業の発展に寄与した専門的な技術者の顔と、地域の実情に寄り添った政治家の顔が見事に融合していると言えるでしょう。

もう一度検索