桜井駅 (奈良県)

桜井駅：歴史と現在が交差する交通の要衝

桜井駅は、奈良県桜井市に位置し、西日本旅客鉄道（JR西日本）桜井線（万葉まほろば線）と近畿日本鉄道（近鉄）大阪線が乗り入れる重要な接続駅です。近鉄の駅番号はD42番、JRは未設定です。古くからの歴史と近代的な設備が融合した、魅力的な駅について詳しく見ていきましょう。

歴史：幾多の路線が交錯した百年

桜井駅の起源は、1893年（明治26年）に大阪鉄道の高田駅～桜井駅間の開通にまで遡ります。その後、奈良鉄道、関西鉄道と経営者が変わり、1907年（明治40年）には国有化。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化を経て、JR西日本の駅となりました。

近鉄の関わりも古く、1909年（明治42年）には初瀬軌道（後の近鉄長谷線）が乗り入れを開始。様々な鉄道会社の路線が桜井駅に乗り入れ、統合や廃止を繰り返しながら、現在の姿へと変貌を遂げてきました。近鉄大阪線は1929年（昭和4年）に開業。大和鉄道もかつて桜井駅に乗り入れていましたが、1958年（昭和33年）に廃止されています。

特に、近鉄大阪線は、1990年代初頭に急曲線改良工事を施工。最小半径が201メートルから500メートルに拡大され、運行効率が大幅に向上しました。また、1995年（平成7年）にはJRと近鉄の共同駅舎が改築され、橋上駅舎と自由通路が完成し、両社の改札口が分離されました。これにより、バリアフリー化も進み、利用者の利便性が向上しています。

駅構造：地上と高架が織りなす立体的な空間

桜井駅は、近鉄大阪線が駅の高架上を走り、JR桜井線が地上を走る、独特の構造をしています。近鉄のホームは相対式2面2線、JRは単式1面1線と島式1面2線の合計2面3線で、跨線橋で接続されています。エレベーターやエスカレーターも整備され、バリアフリー対応も万全です。

JR西日本の駅は、王寺鉄道部が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託しています。自動券売機、みどりの券売機プラス、自動改札機（ICOCA対応）などを備え、近代的な設備が整っています。

一方、近鉄の駅は、大和八木駅が管理しており、駅長は配置されていません。自動改札機、自動精算機はPiTaPa、ICOCAに対応しています。定期券や特急券は専用の自動発売機で購入可能です。

利用状況：地域住民の生活を支える拠点

桜井駅の利用客数は、JR、近鉄ともに安定して推移しています。JRの1日平均乗車人員は、奈良県統計年鑑を参照ください。近鉄については、年度ごとの輸送実績（乗車人員）と乗降人員調査結果が公開されています。これらのデータから、桜井駅が地域社会における重要な交通拠点であることがわかります。

駅周辺：観光と生活が調和する環境

桜井駅周辺には、奈良交通のバス路線が乗り入れており、周辺地域へのアクセスも良好です。桜井市は歴史的建造物や自然豊かな場所も多く、観光客にとっても便利な立地です。駅周辺には、商業施設や飲食店、宿泊施設なども充実しており、生活利便性も高いエリアとなっています。

隣の駅

JR西日本 万葉まほろば線（桜井線）

三輪駅 - 桜井駅 - 香久山駅

近畿日本鉄道 大阪線

大和八木駅 - 桜井駅 - 榛原駅（快速急行）
大和八木駅 - 桜井駅 - 大和朝倉駅（急行、準急、区間準急、普通）
大福駅 - 桜井駅 - 大和朝倉駅（準急、区間準急、普通）

まとめ

桜井駅は、長きに渡る歴史と近代的な設備を兼ね備えた、まさに「歴史と現在が交差する交通の要衝」です。JRと近鉄の2路線が乗り入れ、地域住民の生活を支えるだけでなく、観光客にとっても重要な拠点となっています。今後も桜井市の発展に貢献していくことが期待されます。

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