王寺鉄道部

王寺鉄道部：近畿エリアを支えた鉄道の要

概要

奈良県北葛城郡王寺町に所在していた西日本旅客鉄道（JR西日本）の王寺鉄道部は、近畿エリアにおける重要な鉄道拠点でした。1991年4月1日の鉄道部制度導入に伴い発足し、ローカル線の活性化と効率的な運行に貢献しました。桜井線（奈良駅構内を除く全線）と和歌山線（王寺駅 - 五条駅間）の運行管理を担い、王寺駅構内に位置していました。近畿統括本部の管轄下にあり、2022年9月30日までは大阪支社の管轄でした。京阪神エリアで現存した唯一の鉄道部として、長年に渡り地域鉄道を支えてきました。

業務内容

王寺鉄道部は、主に以下の路線の運行管理を担っていました。

桜井線（万葉まほろば線）全線: 奈良盆地東部を走るローカル線で、観光客にも人気の路線です。
和歌山線（王寺駅 - 五条駅間）: 奈良と和歌山を結ぶ路線の一部区間の運行管理を担当していました。
* 関西本線（大和路線）：佐保信号場 - 奈良駅間: 回送列車の運行管理も行っており、広範囲にわたる業務を担っていました。

歴史

王寺鉄道部の歴史は古く、1907年（明治40年）10月1日の王寺機関区開設にまで遡ります。その後、1984年（昭和59年）7月1日には奈良電車区の王寺支区として再編され、1985年（昭和60年）3月14日には王寺機関区が廃止されました。そして、1991年（平成3年）4月1日、鉄道部制度導入により王寺鉄道部が発足。同時に、奈良電車区王寺支区と統合されました。長い歴史の中で、地域の鉄道輸送を支える重要な役割を担ってきましたが、2023年（令和5年）6月1日をもって廃止されました。廃止後、和歌山線の畠田駅 - 五条駅間は王寺駅、桜井線全線は奈良駅、保線部門は大和路線保線区に移管され、乗務員は王寺電車区として新たな体制をスタートさせました。


車両基地

王寺鉄道部には車両基地も併設されており、桜井線、和歌山線で使用される車両の整備・管理を行っていました。 この基地は、効率的な車両管理を行う上で重要な役割を担っていました。


廃止とその後

2023年6月1日の廃止は、JR西日本の組織再編の一環として行われました。長年に渡り地域鉄道を支えてきた王寺鉄道部の廃止は、関係者にとって大きな転換点となりましたが、その役割は、新たな組織体制の下で引き継がれていくことになります。


まとめ

王寺鉄道部は、近畿エリアの鉄道輸送を支えた重要な拠点でした。長い歴史と地域社会への貢献は、鉄道史に重要な一頁を刻んでいます。その廃止は一つの時代の終わりを意味しますが、同時に新たなスタートでもあります。王寺鉄道部の歴史と役割を理解することは、地域の鉄道発展の歴史を理解する上で重要です。

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