桜口町

桜口町：桜並木と歴史が織りなす神戸の町

兵庫県神戸市灘区に位置する桜口町は、1932年9月、八幡字桜口から町名として誕生しました。現在では、一丁目から五丁目までの区域で構成され、東は高羽川を挟んで徳井町、南は国道2号を挟んで友田町、西は琵琶町、そして北は備後町と隣接しています。

桜口町という地名の由来は、町名の起源となった旧小字名「桜口」に遡ります。この地名の由来については、いくつかの説が存在します。

『神戸の町名　改訂版』（神戸史学会編、2007年）では、桜口はかつて存在した桜並木の入り口であったと記されています。古くからこの地に桜並木が続き、その入り口として桜口と呼ばれていたという説です。一方、『灘区の地名』（灘区役所広報相談課編、1976年）では、旧西国街道本路の北側に森があり、そこに桜の木があったのではないかという推測が示されています。この説では、桜口は西国街道の入り口、あるいは八幡村の入り口にあった桜並木を指している可能性が示唆されています。

どちらの説も、桜口町という地名の由来に桜が深く関わっていることを示唆しており、古くからの歴史と自然を感じさせるロマンチックな地名と言えるでしょう。現在では桜並木は確認できませんが、かつてこの地に桜並木が存在したという歴史は、桜口町の豊かな歴史を物語る重要な要素です。

2020年10月1日時点の国勢調査によると、桜口町の世帯数は1,296世帯、人口は2,540人（男性1,152人、女性1,388人）となっています。郵便番号は657-0036です。この数値は、桜口町が活気ある地域社会であることを示しています。

桜口町は、歴史と自然の息吹を感じさせる静かな住宅街でありながら、神戸市の中心部にも容易にアクセスできる利便性も兼ね備えています。歴史的な地名に由来する穏やかな雰囲気と、現代的な生活の利便性を両立させた、住みやすい町として知られています。これからも、桜口町の歴史と人々の生活が調和して発展していくことを期待します。

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