西国街道

西国街道の概要

西国街道（さいごくかいどう）は、日本の江戸時代に整備された主要な街道の一つであり、近世山陽道の別名で知られています。この街道は、京都から下関、さらには九州の太宰府までを結ぶ重要な経路であり、律令時代に大路として整備された「山陽道」とほぼ一致する形で発展しました。

西国街道の区間

狭義には、京都から西宮までの区間、または西宮から下関までを指すことが多く、これらはそれぞれ「山崎通」や「山陽道」とも呼ばれています。また、他にも西国路、中国街道、中国路、山陽路といった呼称も存在します。

江戸時代における役割

江戸時代の中で、西国街道は道中奉行によって管理され、藩領内であっても江戸幕府の強い影響下にありました。街道の整備によって、中央政府と地方の連携が強化され、交通網が整えられることとなりました。宿場町や問屋場、旅籠（宿舎）などが設けられ、往来する人々の便を図りました。

再整備された西国街道は、京都の羅城門から赤間関（現在の下関市）に至る道であり、寛永10年（1633年）の幕府の巡視によってその重要性が再認識されました。当初は主に参勤交代のために利用され、特に長州藩はこの道の整備に力を尽くしました。慶安2年（1649年）に幕府へ提出された絵図には、この道に30の馬継ぎが設置されていたことが示されています。

区間の詳細

西国街道は、京都から下関に至る区間がいくつかの部分に分かれ、主に以下のように区分されます:
1. 京都 - 西宮（山崎通）: この区間には山崎宿や西宮宿など、6つの宿駅が設けられ、特に西国大名の参勤交代に利用されていました。
2. 西宮 - 下関: ここでは街道が南北に分岐し、山側のルートは西国本街道、海側のルートは西国浜街道として知られています。この地域の名称は situationalで、岡山や広島、山口では「山陽道」と呼ばれることもあります。

特に、山陽自動車道の旧道としても知られるルートが存在し、現在でも重要な交通路として利用されています。

徳川道

幕末には西国街道に付け替えられた道も開削されました。これは、外国人と大名行列の衝突を避けるために、石屋川から大蔵谷を通る六甲山中のルートとして整備されました。しかし、正式に使用されることはなく、再整備された部分は現在では摩耶山登山道として利用されています。

終わりに

西国街道は、江戸時代の政治や経済、文化の交流に重要な役割を果たしました。その歴史的な価値と影響を考えると、現代を生きる私たちにとっても多くの示唆を与えてくれる道と言えるでしょう。

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