桜天神社

桜天神社

桜天神社（さくらてんじんしゃ）は、愛知県名古屋市中区錦二丁目に位置する天満宮で、桜通沿いに鎮座しています。この神社は、織田信秀によって北野天満宮から菅原道真の木像が勧請され、那古野城に最初の祠が設置されたことに由来します。1537年（天文7年）に現在の場所に遷座され、当時は萬松寺の境内にあったため、社はその境守としての役割を果たしていました。

名古屋城の築城に際し、萬松寺が別の場所に移設されても、桜天神社は留まりました。この地域は桜の名所とされ、見事な桜の大樹が生育していたことから、「櫻天満宮」や「桜天神」という愛称で親しまれることとなりました。名古屋城築城時には加藤清正が本陣を置き、数多くの茶会を開いたことが伝えられており、市の歴史に深く根ざしています。

歴史的な変遷

1660年（万治3年）には、桜の大樹が万治の大火で焼失しましたが、それでも「桜天神」の名は残り、やがて現在の桜通の名称の由来となりました。翌年1661年（寛文元年）には、尾張藩2代藩主徳川光友の命により、鐘楼が建設されました。この鐘は日々の時を知らせるために昼夜12時に鳴らされ、多くの人々に親しまれました。しかし、1763年（宝暦13年）の火災で最初の鐘は失われ、翌年に新たな鐘が作られましたが、1873年（明治6年）には鐘の使用が廃止されました。現在、桜天神社の敷地内にはその鐘のレプリカが立っています。

近代の変遷

明治維新を契機に、神仏分離が進められた際にこの神社は「菅原神社」と名を変更しました。その後、1948年（昭和23年）には宗教法人天神社に改組され、近代的な歴史を歩んでいきます。1995年（平成7年）には、住宅・都市整備公団による再開発事業により一部が改築され、現在では周辺に高層ビルが立ち並ぶ中にひっそりとした姿で存在しています。名古屋三天神の一つとして認識されており、多くの受験生が合格祈願に訪れます。

祭事

桜天神社では毎月25日に月並祭を斎行しており、特に重要な祭事の日程も存在します。

• - 1月1日: 元旦祭
• - 1月25日: 初天神「うそ替え」
• - 3月24・25日: 春の大祭（献茶祭・献書祭）
• - 7月7日: 七夕まつり
• - 9月24・25日: 秋の大祭（献書祭）
• - 12月25日: 大祓

アクセス

桜天神社は名古屋市営地下鉄の丸の内駅から徒歩約3分の距離で非常にアクセスしやすく、観光客や地元の人々にも親しまれています。歴史的な背景を持つこの神社は、訪れた人々に静謐な空間を提供し、歴史を感じさせる場所となっています。

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