桜川 (茨城県南部)

桜川（さくらがわ）

桜川（さくらがわ）は、茨城県の南西部を流れ、霞ヶ浦へと注ぐ利根川水系の一級河川です。この川は、桜川市北部の岩瀬地区に位置する鍬柄峠にある鏡ヶ池を源流とし、南方向に流れ続け、最終的には土浦市のJR土浦駅近くで霞ヶ浦に合流します。桜川という名称は、磯部稲村神社付近で桜の花びらが水面に漂う様子から名付けられたと言われており、特に世阿弥の謡曲「桜川」でも言及されています。

桜川周辺には、古くから桜の名所が点在しており、「西の吉野と東の桜川」と異名も持っています。この地域は春になると美しい桜が咲き誇り、多くの観光客が訪れる場所となっています。また、茨城県内には那珂川水系にも同じ名前の「桜川」が存在しますが、これは偶然の一致ではありません。徳川光圀が桜の名所である桜川から桜の木を移植し、水戸にある那珂川水系にも「水戸の桜川」として名前を付けたことに起因しています。

約2万年前には、鬼怒川の本流が桜川を通って西浦に流れ込み、大きな峡谷（三角江）を形成していました。しかし、1938年の集中豪雨では、桜川の堤防が決壊し、土浦町大町地内を含む広範囲が水没してしまったという歴史もあります。このように、桜川は自然災害の影響を受けることもある河川です。

桜川の桜

桜川市磯部地区に位置する磯部稲村神社の参道周辺には、特に美しい桜の木々があります。この地域の山桜は「桜川」として国の名勝に、さらに「桜川のサクラ」として国の天然記念物として指定されています。また、現在確認されている山桜の種類は、桜川匂、樺匂、初重桜、初見桜、大和桜、源氏桜など、合計で十一種類に及びます。

流域の自治体と支流

桜川は茨城県内の多くの自治体を流れています。具体的には、桜川市、筑西市、つくば市、そして土浦市がその流域に含まれます。支流としては布川、筑輪川、大川、泉川、仲沢川、山口川などがあり、それぞれの川が桜川へと流れ込みます。このように、桜川は多くの支流を持ち、広大な流域を形成しています。

桜川を渡る橋梁

桜川には多くの橋が架けられており、その中には県道や国道を跨ぐ重要な橋が多数存在します。特に注目すべきは、桜橋や川端橋、谷中橋など、多くの交通路を支える役割を果たしています。これらの橋は地域のインフラとして、日常生活や観光客のアクセスを助ける重要な存在です。

桜川は自然の美しさだけでなく、歴史や文化的な名所も含まれる地域でもあり、多くの人々に親しまれています。豊かな自然環境の中で、今後も様々な魅力を持ち続けることでしょう。

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