梁国雄

梁国雄：香港の社会主義政治家

梁国雄（リョウ コクユウ、英語名：Leung Kwok-hung、1956年3月27日生まれ）は、香港における著名な社会主義政治家で、愛称は「長毛（Longhair）」です。彼は長い間、社会民主連線所属の立法会議員として活躍していましたが、雨傘運動後に議場で傘を掲げたことが原因で議員資格を失うという波乱の経歴を持っています。

経歴

梁は1956年、広東省広州市増城区で生まれました。家族の事情により幼少期から母とともに香港へ移住し、彼の母親は家政婦として働きながら彼を育てました。環境の影響を受け、梁は子供の頃から社会の不平等に敏感であり、マルクスやトロツキーに関する書物を好み、社会主義の考えに触発されます。母親も香港政府支持の労働者組織に参加していたため、彼は幼い頃から政治活動に関心を持つようになりました。

中学時代には毛沢東主義の学生運動に参加し、その後はバーテンダー、建設労働者、九龍バスの洗車と、さまざまな職を経て成長。1975年には革命マルクス主義者同盟に入党し、愛称の「雄ちゃん」で親しまれるようになりました。この組織は、中国共産党の政治がマルクス主義から逸脱しているとし、反対の立場を明確にしていました。1979年には「四五行動」の3周年を祝う中で中国の民主化を支持する過激行動をとり、その結果逮捕され、1ヶ月の服役を経験します。

出所後、梁はさらに活動を活発化し、2017年には香港自決派とともに金紫荊広場で座り込みをした際、一部メンバーが民主活動家の劉暁波を応援する横断幕を掲げて警察に拘束される事態に至りました。彼の活動は常に社会の不正義に対して声を上げるもので、特に雨傘運動への参加は彼の政治的立場を確固たるものにしました。

2020年には立法会選挙に向けた非公式の予備選挙を巡って国家治安維持法違反の疑いで訴追され、2024年5月には共謀罪で有罪判決を受けます。これに伴い、禁錮6年9ヶ月という量刑が言い渡され、彼の政治活動は新たな試練に直面しています。

他の活動と意見

梁国雄はその活動のなかで「香港のゲバラ」と呼ばれることもあります。彼の言葉は鋭く、議員資格を失った後、日本のメディアのインタビューにて「美麗島事件の時の台湾と似ている」「日本にも批判の声を上げてほしい」などと発言。香港政府の長官である林鄭月娥を「中国政府の傀儡」と指摘し、その矛盾を厳しく糾弾します。

また、保釣行動委員会に所属し、2012年に発生した尖閣諸島の上陸事件の支援者としても知られています。これらの活動は、彼の政治理念や社会問題に対する取り組みの一端を示すものであり、梁の存在感を一層強めています。彼の活動は理想を追求する姿勢や、権力に対する抗議の象徴として、多くの支持を集めています。

時代を越えて、梁国雄の活動は香港の政治的風景において重要な位置を占めており、彼の主張や行動は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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