梅村又次

梅村又次（うめむら またじ）

梅村又次は1921年4月18日に生まれ、2006年12月29日に逝去した日本の著名な経済学者です。彼は特に農学分野における研究を行い、その貢献により農学博士号を取得しました。学位は1971年に九州大学から授与され、その学位論文『賃金・雇用・農業』は彼の研究と業績の根幹を成しています。

略歴

梅村は栃木県で生まれ、1945年に九州帝国大学の農学部を卒業しました。その後、1948年には経済安定本部物価局に就職し、1949年には労働省の労働統計調査部に移りました。1951年、一橋大学経済研究所にて助教授として教授職に就き、1974年には研究所の所長に就任しました。1985年には定年で退官し名誉教授の称号を受けた後、創価大学経済学部の教授に移りましたが、1998年には退職しました。

彼の研究業績は高く評価されており、1964年には『戦後日本の労働力』が第5回エコノミスト賞を受賞しました。また、1971年には『労働力の構造と雇用問題』が日経・経済図書文化賞を受賞し、1989年には『長期経済統計』が同文化賞の特賞を受けるなど、数々の栄誉を受けています。さらに、1997年には勲三等旭日中綬章を受章し、その功績が広く認められました。

梅村に指導された学生の中には、後に著名な経済学者として活躍する大塚勝夫などがいます。

著書

梅村又次は多くの著作を残しています。1961年には『賃金・雇用・農業』を発表し、その後も経済に関するさまざまな著作を手掛けました。中でも、1964年に出版された『戦後日本の労働力 測定と変動』は一橋大学経済研究叢書の一部として考えられ、彼の研究を代表する一書です。

1971年の『労働力の構造と雇用問題』も岩波書店から発行され、彼の経済学における成果を示す重要な著作です。

また、共同編著としても多くの作品を残しています。1965年から1988年にかけて大川一司、篠原三代平と共同で『長期経済統計 推計と分析』を編纂し、この作品は経済統計における基本的な教科書として位置づけられています。1976年には日本経済新聞社から『日本経済の発展 近世から近代へ（数量経済史論集）』を共同編著し、また1988年には『旧日本植民地経済統計 推計と分析』や『日本経済史 3 開港と維新』を共編しています。

さらに、彼は翻訳者としても活動しました。1955年にはJ.ロビンソンの『利子率その他諸研究 ケインズ理論の一般化』を大川一司と共に翻訳し、経済学の発展に寄与しました。

梅村又次の研究と教育の功績は、現在も多くの経済学者に影響を与え続けており、彼の業績は日本経済学界において重要な位置を占めています。

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