梅田川 (愛知県)

梅田川：東三河を潤す二級河川

梅田川は、愛知県東部の東三河地方を流れる二級水系の本流です。源流は豊橋市雲谷町東部の普門寺付近にあり、そこから南へと流れ下ります。一度静岡県湖西市に入り、境川と合流すると流れを西に変え、再び愛知県豊橋市へと戻ります。その後、精進川、落合川、坪口川、浜田川、西ノ川といった支流を合わせ、河口近くで内張川と合流し、最終的には豊橋市船渡町から三河湾へと流れ込みます。

源流付近では「半尻川」と呼ばれていますが、県境を越えて湖西市梅田付近から「梅田川」と改称されます。全長は約14.4キロメートル、流域面積は約89平方キロメートルに及びます。

流域の状況

2019年時点での流域人口は約11万人に達しています。2009年の土地利用状況を見ると、原野や畑が約半分（51%）を占め、市街地が26%、水田が14%、山地が7%と続いています。かつては工業地化や宅地化の影響で水質汚濁が深刻化しましたが、廃水規制による水質改善や「花と緑の水辺づくり事業」による環境保全・育成が進められています。河口付近の植田橋上流には、広大な芦原が広がっています。

地形としては、源流近くの北東部に弓張山地が見られるものの、全体的には梅田川沿いの低地を除いて起伏は穏やかです。流域の大部分は台地であり、右岸側が高師原台地、左岸側が天伯原台地と呼ばれています。地質は、台地が未固結または半固結の礫を主体とする洪積層で構成されており、梅田川および支流沿いは砂泥礫互層の沖積層となっています。

歴史と文化

落合川との合流地点付近は「二川」と呼ばれており、これは「梅田川と落合川の二つの川が合流する場所」が由来とされています。江戸時代には、この地に東海道の33番目の宿場である二川宿が整備され、歴史的な役割を果たしていました。

主な支流

以下に、下流側から順に梅田川の主な支流を記載します。

内張川
西ノ川
浜田川
坪口川
落合川
精進川
境川

流域の自治体

梅田川の流域に含まれる自治体は以下の通りです。

静岡県
湖西市
愛知県
豊橋市

流域内の施設

梅田川流域には、以下のような施設が存在します。

JR東海道本線 新所原駅
JR東海道本線 二川駅
二川宿
豊橋総合動植物公園
豊橋南ショッピングセンター
豊橋鉄道渥美線 芦原駅
豊橋ハートセンター

関連事項

梅田川流域には、かつて中部地方初となる水力発電所「梅田川発電所」が設置されていました。これは、豊橋電燈によって運営されていました。

参考文献

中日新聞社開発局 編『愛知百科事典』中日新聞社、1977年10月。
豊橋市厚生部公害課 編『梅田川水質汚濁負荷量調査報告書』豊橋市厚生部公害課、1993年3月。
豊橋百科事典編集委員会 編『豊橋百科事典』豊橋市文化市民部文化課、2006年12月。

外部リンク

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梅田川は、地域の生活や歴史、環境に深く関わる重要な河川です。その保全と持続可能な利用が、今後も求められるでしょう。

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