梟の左源太

梟の左源太

梟の左源太（ふくろうのさげんた）は、TBS系列の時代劇『水戸黄門 第13部』に登場する架空の忍者であり、三浦浩一が演じた。

設定・人物像

左源太は、初代風車の弥七（中谷一郎）の兄である弥平次（武藤英司）の息子として設定されている。彼は「梟の術」と呼ばれる忍術の達人であり、その技を見抜かれたことがきっかけで、叔父である弥七に正体を知られることとなる。

当初、左源太は尾張徳川家に恨みを抱く島ヶ原の忍者・平岩一族の一員として、尾張家を陥れるために暗躍する。彼は自ら将軍徳川綱吉の行列に発砲したり、綱吉が放った隠密を殺害するなど、大胆な行動に出る。その過程で、彼は叔父である弥七と敵対関係に陥ってしまう。

水戸老公一行が尾張へ向かうことを知ると、左源太は一味を出し抜き、単独で弥七の後を追う。彼は他のシリーズに登場する刺客のように、悪人と手を組み、水戸老公の命を狙う。しかし、平岩一族の首領である老婆・麻（任田多岐）とその息子・新兵衛（岸田森）の娘、由美（白坂紀子）が気の毒な娘を装って水戸老公一行に近づくという、異例の展開となる。これにより、水戸老公一行は刺客とともに旅をすることになる。

左源太は一度は水戸老公を仕留めた（実際には弥七の変装）ものの、その後平岩一族から裏切られ、弥七らに助けられる。麻・新兵衛一味は、光圀一行と尾張藩主・徳川綱誠らの鉄砲隊に追い詰められ、由美の助命を嘆願して自爆する。

その後、左源太は由美を伊賀の里に送り届け、水戸老公一行の後を追う。しかし、実際に登場するのは、第22話と最終話（第26話）のみであった。

最終話で、左源太は伊賀の里に帰る。その後のシリーズでは、伊賀あるいは名張の場面が登場しても、左源太が登場することはなかった。

人間関係

風車の弥七: 叔父でありながら、当初は敵対関係となる。しかし、最終的には互いを助け合う。
平岩一族: 尾張家への復讐を企む忍者集団。左源太は一員として行動するが、最終的に裏切られる。
由美: 平岩一族の娘。左源太によって伊賀の里へ送り届けられる。

考察

梟の左源太は、単なる悪役ではなく、複雑な背景を持つキャラクターとして描かれている。彼は復讐心に駆られながらも、由美を助けるなど、人間らしい一面を見せる。また、叔父である弥七との関係も、物語の重要な要素となっている。彼の存在は、水戸黄門の勧善懲悪の物語に、深みと複雑さを加えていると言えるだろう。

参考文献

TBS水戸黄門第13部（こちらでは泉（いずみ）の左源太と誤記されている[1]）

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