梧棲区

梧棲区（ウーチー/ごせい-く）

台中市西部に位置する梧棲区は、豊かな自然と歴史的な背景を持つ地域です。台湾海峡に面し、東は沙鹿区、北は清水区、南は龍井区と隣接しています。東西約3.75km、南北約4.42kmとコンパクトながらも、多様な産業と文化が息づいています。

地理

梧棲区の地形は、北東から南西にかけて緩やかな下り勾配を形成しており、平均海抜は4.7mです。この地形が、農業や漁業といった地域の産業に大きく影響を与えています。

歴史

梧棲の地は、古くは「竹筏穴」や「五叉港」と呼ばれていました。現在の地名は、「鳳は梧桐にあらざれば棲まず、霊泉にあらざれば飲まず、竹の実にあらざれば食せず」という故事に由来します。清代の康熙末年に漢人による開発が始まり、当初は小規模なものでしたが、乾隆年間になると福建からの海上貿易が活発化し、梧棲の開発は急速に進みました。道光年間には港が繁栄し、「鰲西」と呼ばれていました。その後、1891年に梧棲港と改称されました。日本統治時代には梧棲と沙鹿の一部が合併し、梧棲港街となりました。また、新高港の建設が計画されましたが、日本の敗戦により中断しました。戦後、梧棲鎮となり、2010年の台中県市合併により梧棲区となりました。

経済

農業

梧棲区の農業は、水稲、野菜、ラン栽培が中心です。水稲は主に南簡、福德、大庄、大村、興農、永寧、永安里地区で栽培され、作付面積は600エーカーを超えます。野菜は葉物野菜が中心で、全域で栽培されています。特にラン栽培は梧棲区の特産品として知られ、洋ランを中心に栽培され、専門化とハイテク化が進められています。

漁業

梧棲漁港は、台湾有数の規模を誇る大型漁港です。1980年に大規模な改修が行われ、1984年に正式に供用が開始されました。27エーカーの水域面積と2.4エーカーの陸地面積を持ち、50t以下の漁船を245隻収容できます。漁港内には、卸売市場、漁民センター、休日魚市場、漁具販売区、魚網整備場、漁船整備施設、倉庫、駐車場、観光客休憩所、漁港公園などが整備されており、観光客も多く訪れます。近年では、台東や澎湖からの漁船籍の移動も増え、漁港の活性化に貢献しています。

牧畜業

都市化が進む梧棲区では、環境への影響を考慮し、小規模な牧畜業が中心となっています。養豚場、養鶏場、養鴨場などが存在しますが、近年ではWTO加盟や環境保全設備の整備義務化により、生産性の低い業者は淘汰されつつあります。

工業

梧棲区には、1980年に完成した143エーカーの工業区があります。100社を超える工場が操業し、5,000人以上の雇用を創出しています。主な産業は、食品加工、プラスチック製造、紙器関連、化学、電子電気、紡績、木材加工、金属加工、自動車修理などです。中でもガラス製造の台玻工業が最大規模を誇ります。

行政区

梧棲区は台中市に属し、区長が行政を担っています。

教育

梧棲区には、以下の教育機関があります。

高級中学: 台中市立中港高級中学
国民中学: 台中市梧棲国民中学
国民小学: 台中市梧棲区梧棲国民小学、台中市梧棲区中正国民小学、台中市梧棲区梧南国民小学、台中市梧棲区中港国民小学、台中市梧棲区永寧国民小学

交通

梧棲区は、台中市内や近隣地域へのアクセスが比較的良好です。

観光

梧棲区には、歴史的な街並みや廟、漁港など、多くの観光スポットがあります。

梧棲老街
大庄浩天宮
梧棲真武宮
原梧棲官吏派出所及び宿舍群
新天地レストラン
* 台中港

梧棲区は、豊かな自然と歴史、産業が調和した魅力的な地域です。ぜひ一度訪れてみてください。

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