棋王戦 (将棋)

棋王戦

棋王戦は、共同通信社が主催する将棋のタイトル戦の一つです。1974年に一般棋戦として創設され、翌1975年にタイトル戦に格上げされました。前身は最強者決定戦です。五番勝負の勝者が棋王のタイトル称号を得ます。

2021年からは、コナミグループが特別協賛、大塚製薬が協賛となり、棋戦表記は「棋王戦コナミグループ杯」となっています。

主催紙・経緯

棋譜は主催の共同通信社と契約している各社の新聞に連載され、「棋王戦五番勝負」も各社持ち回りで開催されます。契約社の多くは地方新聞社であり、東京都内で発行している新聞社はありません。

元々、地方の新聞に掲載する棋戦として、最強者決定戦と古豪新鋭戦があり、共同通信社が主催していました。最強者決定戦は棋王戦へ移行し、古豪新鋭戦は名棋戦へ移行、後に棋王戦の予選としての役割も兼ねました。名棋戦、天王戦を統合して現行の形となっています。

方式

挑戦者決定までには、予選、挑戦者決定トーナメント、敗者復活戦、挑戦者決定戦が行われます。挑戦者は棋王と五番勝負を戦い、先に3勝した棋士が新たな棋王となります。

予選から五番勝負までのすべての対局で、持ち時間は各4時間の1日制です。

予選

シード者以外の順位戦B級2組以下の棋士、女流棋士1名、アマ名人が参加します。トーナメント方式で予選通過枠は8人です。予選通過者の8名で優勝者を決める「名棋戦」が行われていました。

女流棋士の参加者からは里見香奈が挑戦者決定トーナメントに進出しました。アマ名人の参加者から挑戦者決定トーナメントに進出した者はいませんが、小牧毅が予選の準決勝まで進出したことがあります。

予選での持ち時間は4時間で、計時方式はストップウォッチ方式からチェスクロック方式に変更されています。

挑戦者決定トーナメント

予選通過者とシード者の計30人余でトーナメントを行います。シード者は以下の通りです。

前期挑戦者決定トーナメントベスト4以上
タイトル保持者
* 順位戦B級1組以上

予選通過者は2回戦から、前期ベスト4の棋士は3回戦から登場します。

女流棋士およびアマチュアが挑戦者決定トーナメントベスト8まで勝ち進んだ場合に、棋士編入試験の受験資格を与えられることとなりました。

準決勝から挑戦者決定二番勝負まで

挑戦者決定トーナメントを勝ち抜いた1名を決めるほかに、棋王戦特有のシステムとして、準決勝以上は2敗失格制となり、本戦の準決勝・決勝と並行して敗者復活戦が行われます。

敗者復活戦

本戦の準決勝敗者2名および決勝敗者1名によって行われるトーナメントです。勝ち抜いた1名が挑戦者決定二番勝負に進出します。

挑戦者決定二番勝負

挑戦者決定トーナメントの優勝者と敗者復活戦の勝者との変則二番勝負による挑戦者決定戦を行います。第1局で敗者組が勝利した場合のみ第2局を実施します。手番の先後は第1局でも第2局でも振り駒を行って決定します。

棋王戦五番勝負

棋王と挑戦者が五番勝負を戦い、先に3勝したほうが新たな棋王となります。五番勝負は全国各地の旅館などで実施されます。

永世棋王

永世称号である「永世棋王」の資格は、棋王位を連続5期以上保持した棋士に与えられます。現在、将棋界の永世称号タイトルの中で「連続期数」でなければ永世位を獲得できないのは「永世棋王」のみです。

2022年4月現在、永世棋王の資格を持つ棋士は、羽生善治、渡辺明の2名です。

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