棚村克行

棚村克行（たなむら かつゆき）

日本の男子水球選手。ブルボンウォーターポロクラブ柏崎所属。ポジションはゴールキーパー。

経歴

1989年8月3日、沖縄県石垣島にて誕生（母の里帰り出産）。
東京都文京区で育ち、文京区立千駄木小学校、明治大学付属中野中学校・高等学校を卒業。
* 筑波大学に進学。

家族と水球との出会い

棚村克行氏の家族には、著名な人物がいる。父は早稲田大学法学学術院教授で弁護士の棚村政行氏であり、兄は元水球日本代表の棚村英行氏である。

水球の世界に入ったのは、中学1年生の時。2歳年上の兄・英行氏に憧れ、その影響を受けて競技を始めたことが大きなきっかけとなった。大学3年生の時には、念願叶って兄とともに水球日本代表に選出され、兄弟揃って日の丸を背負う経験を果たした。

プロフェッショナルキャリアと国内での活躍

大学卒業後、新潟県柏崎市を拠点とする実業団チーム「ブルボンウォーターポロクラブ柏崎」に入団した。同チームの守護神として、ゴールマウスを守る重要な役割を担った。国内最高峰の大会である日本選手権では、チームの中心選手として活躍し、2012年と2018年の優勝に大きく貢献している。

日本代表としての活動

国際舞台での活躍も目覚ましい。2015年12月、リオデジャネイロオリンピックアジア予選に出場。アジアからのオリンピック出場枠はわずか一つという厳しい状況下、中国との全勝同士の直接対決に勝利する快挙を達成し、出場権獲得に貢献した。

この勝利により、日本男子水球チームは実に32年ぶりとなるオリンピック出場を決めた。翌2016年、棚村氏はリオデジャネイロオリンピックに日本代表「ポセイドンジャパン」の一員として出場。世界の強豪が集まるグループステージに挑んだが、残念ながら予選ラウンドでの勝利を挙げることはできず、敗退となった。

その他の活動と人物像

競技活動以外でも注目を集めることがある。2018年7月には、大垣市の水球クラブとの縁もあり、同じく水球日本代表として活躍する志水祐介選手とともに、岐阜中警察署の暴力団対策ポスターのモデルに起用された。水球選手として、地域社会の安全啓発活動にも協力する姿勢を見せた。

選手としてのトレードマークは、特徴的なスキンヘッドと長く伸ばしたヒゲである。この個性的なスタイルは、試合中のゴールキーパーとしての威圧感や、選手としての存在感を際立たせ、ファンからも親しまれている。

棚村克行氏は、兄への憧れから水球を始め、国内外で輝かしいキャリアを築いた日本のトップゴールキーパーである。国内リーグでの複数回の優勝や、32年ぶりのオリンピック出場権獲得への貢献など、その功績は日本の水球界において重要な位置を占める。個性的な風貌も相まって、記憶に残る選手の一人と言えるだろう。

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