棚橋諒

棚橋 諒について

棚橋 諒（たなばし りょう、1907年3月2日 - 1974年5月5日）は、岐阜県に生まれた日本の著名な建築学者です。彼はその業績を通じて、日本の建築学や防災の分野に大きな影響を与えました。特に、彼の設計や研究は多くの建築物に反映されています。

略歴

棚橋は京都帝国大学（現在の京都大学）を卒業し、建築分野でのキャリアをスタートさせました。その後、神戸高等工業学校（現神戸大学）で講師として教鞭を執り、昭和20年には京都大学の教授に就任しました。彼は1951年、石原藤次郎や小堀憲と共に京都大学防災研究所を設立し、初代所長を務めることとなります。この研究所は、日本における防災に関する研究を大いに推進した機関として知られています。

また、棚橋は1963年から1965年まで日本建築学会の会長を務め、その間にも学会の発展に寄与しました。これらの活動を通じて、彼は日本の建築学界において重要な存在となり、多くの後進の指導に尽力しました。

設計に関わった主な建物

棚橋諒が設計に関わった代表的な建物には、以下のものがあります。

• - 京都タワー: 京都のシンボルとも言えるこのタワーは、彼の設計理念が色濃く反映されています。
• - 京都大学人文科学研究所: 学問の発展を担う拠点として、他の研究者らと協力して設計されています。
• - 明石市立天文科学館: 天文学の普及を目的としたこの施設も、棚橋の設計です。
• - 真宗大谷派八尾別院大信寺: 本堂などの再建に関わり、伝統的な建築技術を生かした改修が行われました。

主な著作

棚橋は自身の研究や実績をまとめた著書も多く残しています。特に、1977年に金多潔との共著で発表された『鉄骨構造講義』は、鉄骨構造に関する知識を提供し、多くの建築学徒に影響を与えました。また、1980年には定年退官記念事業会が編纂した『棚橋諒博士記念論文集』も発表されました。

記念と評価

彼の功績を後世に伝えるため、さまざまな記念行事が開催されています。武藤清や小堀鐸二らが寄稿した追悼文献もあり、彼が愛された教育者であったことが窺えます。棚橋の研究や設計は、今日まで建築界や防災の分野にその精神を受け継いでおり、彼の足跡は今もなお色あせることがありません。棚橋 諒は、偉大な建築学者として、日本の建築の未来を築くために尽力し続けました。

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