真宗大谷派八尾別院大信寺

真宗大谷派 八尾別院大信寺

真宗大谷派八尾別院大信寺は、大阪府八尾市本町に位置する真宗大谷派の寺院で、「八尾御坊」とも呼ばれ親しまれています。本山は京都の真宗本廟（東本願寺）です。

歴史

大信寺の歴史は、石山合戦後の本願寺内部の対立に深く関わっています。同時期、河内国渋川郡久宝寺村（現在の八尾市久宝寺）では、講和派の顕証寺（久宝寺御坊）と抗戦派の慈願寺が対立していました。本願寺が東西に分裂すると、顕証寺は西本願寺、慈願寺は東本願寺に属し、対立はさらに激化しました。

慶長11年（1606年）、慈願寺と森本行誓ら17人の民衆は、顕証寺と安井氏による久宝寺村の支配に異議を唱え、徳川家康に仲裁を求めましたが、受け入れられませんでした。その結果、慈願寺は久宝寺村を離れることになります。移転先として家康から東本願寺第12代住職の教如に寄進されたのが、若江郡八尾（現在の八尾市中心部）でした。

慶長12年（1607年）には教如によって八尾に大信寺が建立され、その移転集落は若江郡寺内村と呼ばれるようになり、大信寺を中心とした八尾寺内町として発展しました。万治3年（1660年）に大信寺が現在地に移転すると、慈願寺もその南隣に移りました。最盛期には、大信寺の境内は約440m四方に及び、直轄の門徒は300戸を数えたと言われています。

明治5年（1872年）に東本願寺の別格別院となり、別院大信寺と称するようになりました。昭和42年（1967年）には、京都大学建築研究協会の棚橋諒博士の設計による本堂、山門、鐘楼、納骨堂が落成。鉄筋コンクリート構造のモダンな建築が特徴です。

旧本堂は明和4年（1767年）に建立されたもので、天明の大火（1788年）で東本願寺が被災した際には、大信寺の本堂が東本願寺に移築され、仮御影堂として使用されました。東本願寺の復興後、寛政11年（1799年）に八尾へ再移築されましたが、昭和28年（1953年）に白蟻の被害により倒壊。旧本堂の部材は東京都港区の善福寺に移され、昭和36年（1961年）より同寺の本堂として使用されています。また、真宗大谷派桑名別院本統寺の山門と鐘楼も、八尾別院から移築されたものです。

河内県庁跡

明治2年（1869年）1月、河内県が設置された際、大信寺内の対面所に仮役所（県庁）が置かれました。同年8月には堺県の設置に伴い河内県は廃止。その後、河内県庁は堺県出張所、八尾郡役所としても利用されました。現在は境内北側、大信寺梅林の一角に石碑が残されており、大阪府指定史跡となっています。

行事

• - 毎月11日と27日：お逮夜市（おたいやいち）。大信寺付近一帯で開かれる露店市です。

文化財

• - 河内県庁跡（大阪府指定文化財）
• - 大信寺文書 板倉勝重禁制（八尾市指定文化財）
• - 大信寺文書 徳川年寄衆連署（八尾市指定文化財）
• - 絹本著色 光明本尊（八尾市指定文化財）
• - 絹本著色 法然上人配流御影（八尾市指定文化財）
• - 絹本著色 親鸞聖人配流御影（八尾市指定文化財）
• - 紙本著色 親鸞聖人水鏡白髪御影（八尾市指定文化財）

所在地・交通アクセス

• - 大阪府八尾市本町4-2-48
• - 近鉄大阪線 八尾駅から徒歩約10分

関連項目

• - 真宗大谷派難波別院
• - 八尾 (八尾市)
• - 河内県 (日本)

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