森川一二三

森川一二三（もりかわ ひふみ）

森川一二三は、1954年1月13日生まれで、青森県出身の元競馬騎手です。彼は地方競馬を主な舞台にし、特に新潟と北海道で活躍しました。そのキャリアは数々の栄光と困難に満ちており、彼自身の人生を反映しています。

経歴の始まり

森川は東北町立上北中学校を卒業し、1970年11月に三条競馬場でデビューを果たします。初めて騎乗したレースでは5着という結果でしたが、少し遅れて迎えた11月27日には初勝利を飾ります。このように彼の競馬人生が始まりましたが、彼の経歴は順風満帆ではありませんでした。

当時の競馬界は、暴力団との関わりや八百長問題が蔓延しており、森川もその影響を無視できませんでした。彼は何度か八百長を強要された経験があり、そのために警察からのマークを受けることになりました。あるレースでは、指示通りに3着に落ちることに失敗し、彼はその結果、追われる立場になってしまいます。この経験は彼にとって非常に過酷なものでしたが、彼は警察に出頭し、後に厩務員として働くことになりました。

彼は、誠実さと真面目さが認められ、再び騎手としての道を歩むことになります。これにより彼は自らの名誉を回復し、競馬界に戻ることができました。

騎手としての成功

復帰後、森川は競馬界で再び名を馳せることとなります。1996年には116勝を挙げ、リーディングジョッキーの栄冠を手にするなど、その実力を証明しました。特に彼の精彩が光ったのは、1986年の東北優駿での勝利や、1988年のツカサアコードによる新潟皐月賞や新潟ダービーでの成功などです。これらのレースでの活躍が評価され、彼は信頼のおける騎手として位置づけられました。

また、彼は韓国の騎手との交流競走にも参加し、その実績を積み重ねました。ウィンビレッジ、ダイスプリンター、ツカサアコードなど、数多くの名馬に騎乗し、数々の勝利を手にしました。

引退後の人生

森川は県競馬が廃止となった後もその情熱は衰えず、道営に移籍しました。彼の最初の騎乗は門別でのレースであり、すぐに勝利を収めました。最後の騎乗は2000年で、その後は騎手を引退し育成者としての道に進みました。

現在も北海道の日高町で西山牧場の育成センターの場長を務め、ニシノブルームーンなどの馬の育成や休養に力を入れています。彼は60歳を越えた今も元気に活動しており、その姿勢は周囲からも高く評価されています。

成績と主な騎乗馬

彼のキャリアを通じて、森川は地方競馬で12382戦を走り、1741勝という驚異的な成績を残しました。勝率は14.1%、連対率は28.3%です。中央競馬でもわずかに14戦を経験しましたが、勝ちは得ませんでした。主な騎乗馬にはダイスプリンターやツカサアコード、ヘイセイヒメがあり、特にダイスプリンターとのコンビネーションは多くのファンの記憶に残ることでしょう。

不屈の精神と真摯な姿勢で競馬界に貢献してきた森川一二三の存在は、今後の若手騎手たちにとっての模範となることでしょう。

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