森田茂 (洋画家)

森田 茂：日本の洋画界の巨星

森田茂（1907年3月30日 - 2009年3月2日）は、茨城県に生まれた日本の洋画家であり、その生涯にわたって多彩な作品を残しました。特に原色を使った力強い筆致が特徴的な彼の絵は、多くの美術展で評価され、文化勲章を受章するなど、数々の栄誉を手にしました。

人物・来歴

森田は茨城県真壁郡下館町（現在の筑西市）で生まれ、東京都に住んでいました。彼は文化勲章を受章し、日本芸術院の会員でもあり、日展や東光会でも活躍。地方に名誉市民としても称えられたほどです。彼の画風は、特に重厚感のある作品が印象的であり、初期には人形や人物の作品が多く見られましたが、1965年以降は東南アジア巡遊にインスパイアされて風景画も多く手がけています。

1966年には偶然出会った山形県羽黒山地方の郷土芸能「黒川能」に心惹かれ、この題材を中心に描き続けました。このシリーズの一作品が、1970年に日本芸術院賞を受賞しています。また、彼は舞妓を描いたシリーズも発表し、日本の伝統文化に対する愛情を作品を通じて表現しました。

略年譜

森田のキャリアは1925年に始まります。茨城県師範学校を卒業後、地元の学校で教員として働きながら、子供たちに絵画を教える中で自らの画家としての道を志すようになります。

• - 1926年：第3回白牙会展にて『静物』が入選。
• - 1928年：教員を退職し、上京して画家の道を歩み始めます。
• - 1931年：熊岡美彦が設立した熊岡洋画研究所に入所します。
• - 1933年：第1回東光展で『白衣』が入選。
• - 1934年：第15回帝展に『神楽獅子の親子』で初入選を果たす。
• - 1946年：日展に『阿波人形』を出品し入選。
• - 1966年：第9回新日展で『黒川能』の作品が文部大臣賞を受賞。
• - 1970年：『黒川能』により日本芸術院賞を受賞。
• - 1993年：文化勲章を受章。

森田茂は、創作活動を通じて日本の美術界に多大な影響を与え、数多くの後進に道を示しました。彼の作品はしもだて美術館や酒田市美術館などに所蔵されており、今日まで多くの人々に親しまれています。2007年には100歳の記念展が開催され、彼の長寿と創作活動の成果が大いに称えられました。最期は肺炎により2009年に103歳で他界しましたが、彼の遺した作品は今後も多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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