森白甫

森 白甫（もり はくほ）について

森白甫は、1898年7月6日に東京市浅草区で生まれた日本の画家で、日本芸術院の会員でもあります。彼は、20世紀における日本画の発展に多大な貢献をしました。

森は、1916年に荒木十畝に師事し、本格的に絵画の道を歩み始めます。彼の初期の活動は、帝国美術院展覧会への出品であり、そこで評価を受けることになります。特に、1931年に特選を受賞したことで彼の名声は広まり、翌1933年には作品「池心洋々」で再び特選を勝ち取ります。これらの受賞は、彼の技術が高く評価されていることを示す重要な出来事です。

森は、美術界における重要な役割も担いました。1938年には文部省美術展覧会の審査員に任命され、1946年には日本美術展覧会の審査員を務めます。1950年からは多摩美術大学の教授として、次世代のアーティストの育成に力を注ぎました。また、彼は日本美術展覧会の運営においても重要な位置にあり、1958年には日本芸術院賞を受賞、1971年には同院の理事に選ばれました。1976年には勲四等旭日小綬章を受章し、その業績が社会に広く認められました。1978年には日本芸術院の会員として、さらにその影響力を高めました。

森白甫の作品は、その時代の日本画を代表するものであり、特に「魚と貝」（1954年）や「夕紅」（1953年）などの作品は、練馬区立美術館に収蔵されています。彼の作品は、細やかな描写と色使いが特徴で、日本の自然や文化への深い敬愛が込められています。

さらに、森は著作活動も行っており、1947年には『日本画の新技法』を出版しました。この書籍は、多くの後進の画家にとって貴重な参考資料となり、日本画の技法を新たに学ぶための助けとなりました。また、1941年には川路柳虹と芳川赳との共著による『現代日本画家評伝 第6篇 森白甫』が出版され、彼の人生や作品についての研究も進められました。さらに、1940年には「現代名家素描集 第2輯 森白甫自選 鳥類篇」が発行され、彼の選び抜かれた素描も広く知られるようになりました。

森白甫は、1980年5月27日にその生涯を終えましたが、その業績と精神は今なお多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品や教えは後世に伝えられ、今後の日本画界にも新たな命を吹き込むことでしょう。

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