森部一雄

森部 一雄の生涯とコレクション

森部一雄（もりべ かずお、1928年 - 2004年）は、日本の著名な医師であり医学博士として知られる人物です。名古屋で生まれ、染料問屋を営む家族に育ちましたが、医療の道を選び、特に外科医としてのキャリアを築きました。

医学の道と研究

森部は1950年代末、名古屋市立大学医学部の第一外科学教室に属し、1959年には「代用膀胱とした腸管の機能に関する研究」で医学博士の学位を取得しました。その後、彼は船医として国際的に活動し、東南アジア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、そしてアメリカ大陸の沿岸部を巡りながら、様々な経験を積むとともに、特に昆虫採集に力を入れました。彼が収集した昆虫標本は、約12,000点に及びます。

森部コレクションの多様性

森部の収集物は多岐にわたります。1995年、彼の昆虫標本は豊橋市の自然史博物館に寄贈され、「森部コレクション」として一部が一般に公開されました。このコレクションには、日本国内外の多様な昆虫が含まれています。

チョコレートラベルの収集

森部は特に板チョコレートが好きで、20代のころからチョコレートを食べる習慣があり、食べた際の包装紙を保存することに情熱を注ぎました。その結果、彼のチョコレートラベルのコレクションは5000点に達し、彼の生前にも様々な場所で展示されました。これらのラベルの一部は、ロイズコンフェクトに引き継がれ、新千歳空港内のロイズチョコレートワールドで展示されています。

ヘビにまつわるコレクション

さらに、彼はヘビに形取られた玩具や民芸品なども収集しました。このヘビグッズコレクションは約1000点に及び、スリランカでの船医時代に入手した「コブラに頭を覆われた仮面」に始まります。2004年には、このコレクションがおきなわワールド文化王国・玉泉洞に寄贈され、「世界のヘビグッズコレクション」として公開されています。

自伝的著作

森部一雄は自らの体験を綴った自伝的エッセイ『チョコレートを1.2トン食べました』（ネスコ、1997年）を著しています。この本は、彼の食生活と多彩な興味を原点とする内容であり、多くの読者に彼のユニークな人物像を伝えています。

まとめ

森部一雄の人生は、医師としてのキャリアにとどまらず、多彩な趣味によって彩られたものです。彼のコレクションは、昆虫、チョコレートラベル、ヘビグッズと、その各分野において深い見識を持つ彼の人柄を示しています。

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