森部隆

森部隆について

森部隆は、1894年（明治27年）に福岡県で生まれ、1965年（昭和40年）に生涯を閉じた日本の官僚、弁護士です。内務省や台湾総督府で要職を歴任し、戦後は弁護士として活躍しました。

生い立ちと学歴

森部隆は、森部隆三の四男として生まれました。第五高等学校を卒業後、1919年10月に高等試験行政科試験に合格しました。1920年には東京帝国大学法学部法律学科（独法）を卒業し、法律の専門知識を深めました。

官僚としてのキャリア

大学卒業後、東洋拓殖株式会社を経て内務省に入省し、社会局に配属されました。その後、岩手県や長崎県で書記官・警察部長を歴任し、社会局書記官・労働部労政課長として労働問題にも取り組みました。1936年にはジュネーヴ国際労働会議に政府代表顧問として派遣されるなど、国際的な舞台でも活躍しました。愛知県総務部長を経て、1939年4月に島根県知事に就任しました。

島根県知事として

島根県知事時代には、山林造林計画の策定や干ばつ対策に尽力し、県民の生活向上に貢献しました。

台湾総督府での活躍

1940年4月には拓務省拓務局長に転任。その後、拓南局長を経て、1941年5月には台湾総督府内務局長に就任しました。さらに同総務局長、鉱工局長を歴任し、1945年1月に辞任し退官しました。台湾総督府では、内政や産業行政の中枢を担いました。

戦後の活動

戦後は弁護士として活動し、株式会社建設工業会館の代表取締役も務めました。官僚としての経験を活かし、法律や建設業界で活躍しました。

親族

兄の森部隆輔は国会議員として活躍しました。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日に、紀元二千六百年祝典記念章を受章しています。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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