森長継

森長継（もり ながつぐ）

森長継は、江戸時代前期から中期に活躍した大名です。美作津山藩の第2代藩主であり、後に備中西江原藩の初代藩主となりました。

生涯

家督相続

慶長15年（1610年）、森忠政の重臣である関成次の長男として誕生しました。母は忠政の娘であり、父の成次は忠政の甥にあたります。森忠政には男子が早世したため、外孫であり姪孫でもある長継が養子に選ばれました。寛永11年（1634年）に養父・忠政の死により家督を相続し、津山藩主となりました。

津山藩主時代

藩主として、先代・忠政の政策を受け継ぎ、城下町の整備・拡大、山林検地、用水路開削、溝地の築堤、新田開発、寺社の再興など、津山藩の藩制確立に尽力しました。承応元年（1652年）には、弟の関長政に1万8700石を分与し、宮川藩を立藩させています。

嫡男の忠継が早世し、忠継の子である嫡孫の長成が幼少であったため、延宝2年（1674年）に三男の長武に家督を譲り隠居しました。この際、2万石の隠居料を得ています。

隠居と再相続

長武は長成が成長するまでの代つなぎとして家督を継承しましたが、貞享3年（1686年）に長成に家督を譲り隠居しました。しかし、長成は元禄10年（1697年）に嗣子なく死去してしまいます。このため、長継は弟の関衆之の養子となっていた九男・衆利を長成の継嗣として幕府に訴えました。幕府はこれを承諾しましたが、衆利が継承挨拶のため江戸へ向かう途中、伊勢で乱心したため、幕府は家督相続承認を取り消し、元禄10年（1697年）に領地を召し上げ、津山藩森家は改易となりました。

しかし、幕府は長継に備中西江原藩2万石を新たに与え、森氏の存続を許しました。この背景には、池田氏（岡山藩）、細川氏（熊本藩）、前田氏（加賀藩）、浅野氏（広島藩）など、かつて森家と交流のあった大藩からの働きかけがあったとされています。

元禄11年（1698年）、江戸の芝屋敷で89歳で亡くなりました。跡は八男の長直が継ぎました。

系譜

父：関成次
母：於郷 - 森忠政の三女
養父：森忠政
正室：鶴 - 池田長幸の娘
長男：森忠継
三男：森長武
側室：継光院 - 湯浅丹後の娘
五男：森長俊
六男：関長治
八男：森長直
十二男：森衆利

長継には多くの子女がおり、森氏の一族は各地で繁栄しました。本家は赤穂事件で断絶した浅野家の後を継ぎ、播磨赤穂藩主として明治時代まで存続しています。長継の子孫には、播磨三日月藩や備中新見藩など、小藩として明治時代まで存続した分家もあります。

関連項目

衆楽園 - 長継が築庭させた大名庭園

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