森忠継

森忠継

森忠継（もり ただつぐ）は、江戸時代前期に美作国津山藩の世嗣として生まれた人物です。官位は従四位下・美作守。

略歴

2代藩主・森長継の長男として生まれました。正保2年（1645年）には、3代将軍・徳川家光に拝謁しています。承応3年（1654年）に叙任されました。

4代将軍・徳川家綱の時代には、朝鮮使節の来朝がありました。この際、御用掛となった老中・阿部忠秋は、前例の記録が明暦の大火で焼失してしまったため、江戸にいる諸藩の留守居役に対して当時の記録を書き出すように命じました。忠継は、多数の留守居役が一時に集まることで混乱が生じることを懸念し、藩ごとにグループをまとめさせることを提案しました。

忠継のもとには12家の留守居役が集まり、組合を組織して食事を共にしました。この出来事がきっかけとなり、留守居役の間で組合が結成され、寄合という連絡会が持たれるようになったと言われています。この留守居役同士の組合は、情報交換の場として幕末まで重要視されました。

しかし、忠継は家督を継ぐことなく、延宝2年（1674年）に38歳で早世しました。本源寺に葬られ、戒名は霊光院殿義海仁功大居士。

森家全盛記によると、父・長継は忠継の死を深く悲しみ、幼い忠継の嫡男・万右衛門（後の長成）を将来の後継者とすることを伝えました。これを聞いた忠継は微笑んで目を閉じたと伝えられています。忠継の没後、長継は万右衛門（後の長成）が成人するまでの条件で、次男の長武に家督を譲り、自身は隠居しました。

系譜

父：森長継（1610年 - 1698年）
母：お鶴 - 大御前、池田長幸の娘
正室：小笠原長次の娘
側室
* 三男：森長成（1671年 - 1697年） - 森長武の養子

脚注

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