植垣節也

植垣節也（うえがき せつや、1927年 - 2012年）は、日本の国文学者、作家であり、兵庫教育大学名誉教授として知られています。彼の学術的な業績と文学的な活動は、日本の文化研究に大きく貢献しました。

経歴

京都府に生まれた植垣節也は、親和女子短期大学助教授、兵庫教育大学教授を歴任しました。1992年には兵庫教育大学を定年退官し、名誉教授の称号を受けました。研究者としての活動の傍ら、『VIKING』に所属し、上垣青二の筆名で小説も執筆しました。この筆名での活動は、彼の文学的な側面を示すものと言えるでしょう。

研究内容

植垣節也は、特に風土記研究の分野で顕著な業績を残しました。風土記とは、古代日本の各地域に関する地理、歴史、伝説などを記録したものであり、日本の文化や社会を理解する上で重要な資料です。

彼の著作である『風土記漢字索引』や『風土記の研究並びに漢字索引』は、風土記研究における基礎的な文献として、研究者にとって欠かせないツールとなっています。これらの著作を通じて、風土記に記された情報を効率的に検索し、分析することが可能になりました。また、『方違神社 研究と史料』や『山氏神社 研究と史料』など、神社に関する研究も行い、地域の歴史や文化に光を当てました。

文章表現論

植垣節也は、文章表現に関する著作も発表しています。講談社現代新書から出版された『文章表現の技術』は、文章作成の基礎を解説したもので、多くの人に読まれました。小論文に関する共著もあり、文章表現の指導にも力を注ぎました。

古典文学

古典文学の研究にも携わり、『新編日本古典文学全集 5 風土記』や『日本書紀 下』の校訂・訳注にも参加しました。これらの業績は、古典文学の普及と理解に貢献しています。

著書

『風土記漢字索引』京都大学生活協同組合印刷部、1961 - 1965年
『風土記の研究並びに漢字索引』風間書房、1972年
『閑暇庵先生の述懐』上垣青二 Viking club、1975年
『方違神社 研究と史料』皇学館大学出版部、1978年
『文章表現の技術』講談社現代新書、1979年
『小説・出雲の国風土記』近代文芸社、1983年
『古典解釈論考』和泉書院、1984年
『山氏神社 研究と史料』兵庫教育大学国文学研究室、1984年
『基礎からマスター小論文』樺島忠夫共著 三省堂、1994年
『新編日本古典文学全集 5 風土記』小学館、1997年
『風土記を学ぶ人のために』橋本雅之共編 世界思想社、2001年
『日本書紀 下』小島憲之、直木孝次郎、西宮一民、蔵中進、毛利正守共校訂・訳 小学館、2007年 日本の古典をよむ

まとめ

植垣節也は、国文学者、作家として多岐にわたる分野で才能を発揮し、日本の学術・文化の発展に貢献しました。彼の研究業績や著作は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索