植木朝子

植木 朝子

植木 朝子（うえき ともこ、生年1967年3月19日）は日本の国文学者として広く知られ、同志社大学で教鞭を執っています。彼女は専門的に日本中世文学、特に中世歌謡や芸能に焦点を当てた研究を行っており、その成果は国内外で高く評価されています。加えて、夫は文芸評論家であり、武蔵野音楽大学教授の武藤康史氏です。また、彼女の家系には歴史ある背景があり、祖父は国文学者の吾郷寅之進です。

来歴

植木は千葉県立東葛飾高等学校を卒業後、1990年にお茶の水女子大学文教育学部国文学科を卒業しました。その後、1992年には同大学院の修士課程を修了し、1995年には比較文化学専攻の博士課程で単位取得満期退学するまで勉強を続けました。この間、彼女はお茶の水女子大学の助手として勤務を開始しました。

1996年には十文字学園女子短期大学で専任講師となり、その後、1998年には「今様の世界」でお茶の水女子大学から人文科学博士の学位を取得しました。2001年には十文字学園女子大学の助教授に就任し、さらに2002年には日本歌謡学会から志田延義賞を受賞しました。

2005年には同志社大学文学部国文学科の助教授に転任し、2007年には教授に昇進。その後、2012年からは博士後期課程教授として活動を続けました。2015年からは文学部長として部門を牽引し、2017年4月から副学長に昇進しました。2019年の学長選挙で第34代の学長に選出され、同志社大学初の女性学長という歴史的な役割を担いました。任期は2020年4月1日から4年間でしたが、2023年には日本学術会議の会員としても活動しています。

研究分野

植木教授は主に中世歌謡を専門としており、このテーマを起点に古代から近現代に至るまでの幅広い分野で研究を行っています。彼女の著作には、「梁塵秘抄」とその周辺に関するものや、「中世小歌」への考察などがあり、学問的な深さと広がりが特徴です。著書『梁塵秘抄とその周縁 今様と和歌・説話・物語の交流』は2001年に発行され、続いて、2004年には『中世小歌愛の諸相』、2009年には『梁塵秘抄の世界』といった著作が出版されました。

その他の活動

植木はまた、宝塚歌劇団に関連する観劇案内の執筆や、祇園甲部「都をどり」の構成と作詞にも関与しています。2014年からはこの舞台のクリエイティブな役割を果たしています。加えて、著作としては『風雅と官能の室町歌謡』、共編著に『宝塚歌劇団スタディーズ』など、多くの作品があります。

彼女の研究は単なる学問だけでなく、様々な文化的活動に対する影響も与えており、その多岐にわたる専門性は現代日本文学研究において重要な位置を占めています。

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